成田軍事空港化攻撃が激化 ・浜田防衛相「訓練あらゆる空港で」 ・CSISが米中戦争の机上演習
成田軍事空港化攻撃が激化
・浜田防衛相「訓練あらゆる空港で」
・CSISが米中戦争の机上演習
1月20日、浜田靖一防衛相は記者会見で「我が国の防衛上、あらゆる空港の運用が重要だ」と発言した。12月の国会答弁「下地島空港、成田空港の軍事使用」に続き、あらゆる空港の軍事使用を公言した。具体的には、沖縄県・下地島空港の米軍使用申請に対し沖縄県が自粛を要請したのに関連し、同空港を「自衛隊が訓練などで活用するか」と問われたことに対する答えである。浜田が「あらゆる空港を運用できることが重要」と強調したのは、先の国会答弁でも明らかなとおり「成田」と「沖縄」を念頭に置いたものだ。安保3文書の「戦略的安全保障戦略」で主要課題の一つである公共インフラの軍事活用の焦点は、成田空港と沖縄の空港の軍事使用だ。岸田政権は、日帝の安全保障戦略の成否をかけ三里塚と沖縄への攻撃を激化させているのだ。
米軍は今月、下地島空港で訓練を実施するとして沖縄県に使用届を提出した。しかし、県は自粛を要請、米軍は訓練できなかった。これは、昨年の安保有識者会議などで強調していた地方自治体などの施設管理者による軍事利用拒否の事態だ。これが、早くも突き付けられたのだ。
今日、米軍はもとより自衛隊も平時においては自治体による事前の許可がない限り、訓練での施設使用ができない。チャーター機や民間会社の形式で利用するか、例外的に緊急的処置でしか使用することができなかった。これは、敗戦帝国主義=日帝への戦後的制約と日本の労働者人民の闘いが強制してきたものだ。これを打破することなくして、日帝は新たな侵略戦争に突入できない。そのため岸田政権は、民間の港湾・空港の平時からの利用を「日本が優先する戦略的なアプローチ」として重点的課題にしたのだ。民間空港の軍事使用は、日帝にとって中国侵略戦争体制構築のための切羽詰まった攻撃に他ならない。
「地元の反対運動」を敵視
アメリカのシンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)は1月、日米2プラス2、日米首脳会談を前に、「中国軍が台湾に侵攻」という想定の机上演習の結果を公表した。報告書は、米中開戦の24通りのシナリオと提言で構成している。CSISは、米軍・自衛隊が多大な打撃を被ることを認め、「1日あたりの死者数は140人」「米軍の死傷者と行方不明者は1万人近くに上る」と凄惨(せいさん)さを突き出すことによって、これに「直面しても作戦を継続する必要性」を扇動し、日米戦争体制の早急な構築を訴える。CSISは、多くの研究員を時の政権の要職へ送り込んできた。報告書の狙いは、中国侵略戦争への日帝の大軍拡と参戦、戦争への日帝の国内体制構築の催促だ。
この報告の中で注目すべきは、安保3文書「戦略的安全保障戦略」の課題でもある公共インフラの軍事使用を、CSISが具体的に克服すべき課題として取り上げている点である。報告書7章「提言」では、日本の民間国際空港の軍事利用についての記載がある。
「米日が民間の国際空港を利用できるように動く必要がある」が「地元の政治的反対が平時において日本の民間空港の使用を阻害する可能性があり、戦時においてもそうなりうる」
これは、名指しこそしていないが成田空港と三里塚闘争を念頭においたものだ。報告書では、米軍が嘉手納・岩国・横田・三沢の基地から作戦を展開し、これらの基地が攻撃されることを想定している。これを前提に、「民間の国際空港」を取り上げているのである。総力戦になれば、すべての空港が基地化するだけではなく、とくに成田のような巨大空港が物資・人員受け入れの拠点として確保されなければならない。報告書であえて「国際空港」と言っているのは、このためだ。三里塚は中国侵略戦争阻止の最前線だ。市東さん農地取り上げ強制執行を許さず軍事空港建設を阻止しよう。(大戸剛)