2・5天神峰現地闘争へ 2023年団結旗開き盛大に開く 農地死守・強制執行阻止の誓い新たに
2・5天神峰現地闘争へ
2023年団結旗開き盛大に開く
農地死守・強制執行阻止の誓い新たに
昨年末の「4日間決戦」に勝利した三里塚芝山連合空港反対同盟は1月8日、決戦の地、天神峰で2023年の団結旗開きを意気高く開催した。全国から200人の労働者、農民、学生、市民が集まり、57年の不屈の闘いを誇る反対同盟とともに、今年も市東孝雄さんの農地を絶対に守り切ることを誓い合った。岸田政権は米バイデン政権と一体となって中国侵略戦争を構えている。昨年末の新たな安保3文書の閣議決定から相手国領域内への先制攻撃を含む「反撃能力」を持つ大転換を行うための大軍拡予算を提出し、戦時財政への全面転換を図ろうとしている。反戦の砦=三里塚から大反撃に打って出よう。2・5天神峰現地闘争に大結集しよう。
旗開きに先立ち、反対同盟は東峰神社のしめ縄の付け替えを行った。頭上40㍍をジェット機が轟音を立てて通過する中、手際よく作業を終えた上、市東さんの南台の耕作地に移動。雲一つない晴天のもとに、それぞれの旗・のぼりを立てて集まった人々が新年のあいさつを交わし合う。
敷地内をデモ
「市東さんの農地を守り抜くぞ!」「強制執行実力阻止!」。太郎良陽一決戦本部長のリードでのシュプレヒコールを上げて、直ちに新年初の敷地内デモに出発。大量に動員された警察機動隊の規制をはねのけ天神峰耕作地までのデモを貫徹した。
旗開き会場は初の試みとして、旧小見川県道に面した畑の南部分にシートを敷いて整えられていた。午前から現地の仲間が用意したこの会場の開放的壮観に、参加者は例外なく目を見張った。とにかく空が広い!
事務局員の伊藤信晴さんがマイクを握り主催者あいさつを行った。(発言要旨別掲)
「『円滑かつ確実に強制執行を行う』とのNAA田村社長の宣言を粉砕した。岸田政権の戦争政策の急激な攻撃は、否応なく市東さんに襲いかかる。世の中を変えるような闘いが必要だ」と呼びかけた。続いて司会を務めた婦人行動隊の木内敦子さんが、「2022年は強制執行を阻止して農地を守り、全国の連帯が強まり、豊かな闘いとなった。23年もともに闘います」と述べた。
東峰の萩原富夫さんが登壇し、反対同盟の「闘争宣言2023」を朗読。軍事空港化に向けての市東さんの農地強制執行阻止を訴えた。
「楽しく闘おう」
続いて市東孝雄さんがマイクを握った。「『来るなら来い』という気持ちで皆さんとともに闘いたい。この1年を皆さんと明るく楽しく闘っていきたいと思います」と述べて、力強く乾杯の音頭を取った。
この市東さんの新年の決意に応え、発言が続いた。
最初に動労千葉の関道利委員長が、ジェット燃料貨車輸送阻止闘争と同じ質の労農連帯を貫いて、岸田の戦争と農地取り上げ攻撃に立ち向かうことを約束した。
関西実行委に続き、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の西山直洋執行委員は、裁判闘争、反弾圧闘争、元旦の大阪府警に対する抗議行動を報告し、三里塚と連帯して春闘に勝利する決意を表した。
反対同盟顧問弁護団が並び発言した。事務局長の葉山岳夫弁護士は、「農民の命である農地を奪うことは過酷執行であり違法」とし、共に闘う決意を表した。
群馬・市東さんの農地を守る会は、職場で闘う群馬合同労組の組合員が三里塚から勇気を得ていることを強調した。
市東さんの農地取り上げに反対する会に続き、全国農民会議共同代表の小川浩さんは、「市東さんの命は全国農民の命でもある」と述べ、労働者と農民の連帯の死活性を強調した。
芝山町で空港の騒音被害と闘う住民は、「市東さんの畑を奪ってまで広げる空港はいりません!」と力強く叫んだ。
さらに婦人民主クラブ全国協議会、2期目を目指して奮闘中の杉並区議会議員の洞口朋子さん、全国水平同盟、3・11反原発福島行動実行委員会、星野全国再審連絡会議、大坂正明さん救援会、関西新空港絶対反対泉州住民の会代表の中川育子さんなどが次々と発言に立ち、農地を守る闘いと結んでそれぞれの現場で勝利する決意を表した。
白ヘルメット姿の全学連が並び、代表して赤嶺知晃委員長が決意表明を行った。岸田政権の中国侵略戦争へ向けた攻撃に対し、反戦闘争を実力で展開し、市東さんの農地を守り抜くことを誓った。
発言の間に、関西から駆けつけた「浪花のパギやん」こと趙博さん、12月の団結芋煮会にも登場したユニット「いなのとひら・のとこば」がそれぞれ、反権力の気骨に満ちた曲を披露し、会場を大いに沸かせた。
旗開きも大詰めを迎え反対同盟が前に並ぶ中、太郎良さんが「強制執行と実力で闘う決戦陣形が、この年末の闘いでできた。だがもっともっと増やしたい!」と熱烈に呼びかけ、天神峰への連続した結集を呼びかけた。天神峰カフェなど毎週日曜日の行動、2・5天神峰現地闘争、3月26日は芝山町で集会を開くことを確認し、団結ガンバローを三唱。
最後に全員で反対同盟の歌を熱唱し、「誇りも高き農地死守」の歌声が天神峰の空に響きわたった。
発言より 闘魂ますます盛んなり
来るなら来いの意気込みで
敷地内天神峰 市東孝雄さん
あけましておめでとうございます。この畑で団結旗開きをできたことをうれしく思います。
皆さんの団結の力でなしえたことだと思います。今年いつ執行が来るか分かりません。向こうの土俵ですので、こちらは「来るなら来い」という意気込みで皆さんと共に闘いたいと思います。
私がここに帰ってきて、親父の追悼式で壇上から発言して20年以上経ちました。「闘魂ますます盛んなり」の言葉を大事にして闘うと誓いました。この間、皆さんとともに闘ってきて、今成果が出ていると思います。今あらためて、皆さんの団結、労働運動をはじめとする力、市民、学生さんの力を借りて一日も長く農地を守り続けるという覚悟でいます。沖縄・福島・三里塚を一つの闘いとして闘っていきます。農地を守ることが命であるということ、それを念頭にこの一年皆さんと楽しく闘っていきましょう。
それでは今年一年皆さん、明るい闘いができるように共に闘ってきたいと思います。乾杯!
実力闘争57年の本領発揮し
反対同盟事務局員 伊藤信晴さん
年末の間、闘いを決戦として構えました。NAA社長の田村が言うところの「円滑かつ確実に執行する」という状況の中で、多くの学生、皆さんが力強い決起をもって執行させない情勢を作り出しました。この実力の闘いは、三里塚57年を貫いてきたし、いよいよ本領を発揮しなければなりません。
「確実に執行する」という田村の発言は、ほかでもなく日帝・岸田の戦争政策です。その攻撃は、否応もなく市東さんに襲いかかります。したがって、阻止するにはこの世の中を変える闘いが必要になってきます。
かつて第2次代執行の時に大木よねさんがだまし討ちで強制執行されました。その夜、三里塚一帯の飯場という飯場は人民の革命的闘いで燃え、火の海となりました。けれども大木よねさんは、だまし討ちを見抜けずに反対同盟が闘争解除したと不満を持ちました。当事者にしてみれば当たり前です。私たちが今肝に銘じなければならないことは、市東さんの気持ちにどれだけ納得のいく闘いができるかです。大きな課題ですが、これに本当に応えていこうではありませんか。私たち反対同盟も全力で闘います。
戦争国家化攻撃粉砕しよう
動労千葉委員長 関道利さん
市東さん農地取り上げ阻止の昨年の闘争に勝利したことを確認したいと思います。そしてこの23年も市東さん闘争、「農地は命」という市東さんの気持ちと共に闘い続けたいと思います。私たち動労千葉は、昨日旗開きを行いました。私は冒頭のあいさつでも、三里塚決戦を闘おうということを述べました。
今年は、非常に重要な年だと思います。1月23日からは、戦争国会が始まります。「戦争ができる国になる、する」ということです。そのために、市東さんの農地取り上げを強制的に執行するんだというのが敵の攻撃です。これに対して、私たちは断固粉砕、阻止する闘いをしたいと思います。私たち動労千葉は、ジェット燃料貨車輸送阻止闘争から首をかけて闘い抜いてきました。その時には、私はまだ国鉄には入っていませんでしたが、先人たちがそういう闘いを展開してきました。私たち今の動労千葉も、同じ闘いを行う宣言をしたいと思います。
中国侵略戦争阻止の前哨戦
反対同盟顧問弁護団 葉山岳夫さん
強制執行について「彼らのやることだから仕方がない」というのは間違いです。天人ともに許さない強制執行です。これは中国侵略戦争の前哨戦の一環として行なわれるのです。今成田では、軍事空港性を前面に出してきた。軍事空港をさらに強化するという機能強化が行われようとしており、戦争前夜の状況を推進する攻撃の一環です。
執行の問題点は数点あります。一つは、過酷執行です。ドイツでは過酷執行を認めていません。日本では、鍋、釜については過酷執行を認めていないが、農地についてそういう規定がないという法律的な不備があります。農地は、市東さんが100年にわたって築いてきたところの農民の命そのものであります。これを奪うということが過酷執行です。確定判決の中においても、基本的な違法があるならば強制執行はできません。
中国侵略戦争の前段闘争である行政代執行阻止闘争は大きな意義があるものです。弁護団は、実力で阻止する闘いと連帯して絶対に勝利する意志を表明します。
農民の生きる道示す三里塚
全国農民会議共同代表 小川浩さん
市東さんの農地は、市東さん一人のものではありません。全国の農民のものであり、全国農民の命です。
今の農民の現状はどうなっているのでしょうか。家族農業は縮小し、部落でも一人か二人です。しかし、その農地を借りた大規模農業も危機です。
牛乳を増やせと言って乳牛を増やした農家はどうなったでしょうか。北海道では今、牛乳を捨てているんですよ。自分たちで金を払って捨てているんです。米作でもそうです。昨年は生産調整を達成したんです。減反が増えたんですが、米価は上がらないです。そういう中で農村と農業は危機的なのです。
岸田政権は5年間で軍事費2倍化だと言っていますが、それと農業危機は一体だと思います。そこから変えていかなければなりません。農民が「生きさせろ」というような闘い、三里塚と市東さんのような闘いをやらない限り、農民は生きていけないと思います。
全国農民会議も今年で11年目に入ります。まだ農民を組織しきれていませんが、市東さんと共に闘うという中に日本の農民の未来があるということをはっきりさせて闘っていきたいと思います。
G7広島サミット粉砕へ!
全学連委員長 赤嶺知晃さん
農地を守り抜いて今日の地平にいることが決定的です。年内の強制執行を実力で防ぎ切った三里塚闘争の勝利をみなさんと確認したい。
全学連の仲間たちは全国から結集して24時間権力と対峙する生活と一体の闘争を闘い、豊かで壮絶な闘争の歴史と地平を全身で感じて絶対反対・実力闘争で闘う路線を学び団結を深めています。いつもは「逮捕されるのはちょっと」という学生も、「怖いけど行ってみる」と言って、10人20人どんどん来ています。
昨年、全学連は闘う労組、反対同盟と共に反戦闘争を基軸に闘い、すさまじい展望を切り開いてきました。とりわけ9月安倍国葬粉砕闘争から11月集会に上り詰める過程で、この社会に根底的な怒りを持つ青年・学生と結びつきました。
全学連は23年もこの三里塚闘争に全力で決起し、市東さんの農地を守り抜きます。真正面から反戦闘争を作り出す。根底的な社会変革、 あいまいさのない戦争絶対反対の怒りと闘いを青年・学生は求めています。必ず巨大な反戦闘争を作り出せる。1月の戦争予算国会粉砕から5月広島G7サミット粉砕の闘いを巨大につくりだそう!
戦争反対掲げ2期目に挑戦
杉並区議会議員 洞口朋子さん
今年は戦争阻止の大決戦です。市東さんの農地を守る闘いは、沖縄と並びその最先端の激突点です。国や空港会社に一片の正義もありません。戦時収用、戦争のための土地取り上げを絶対許さず、市東さんとともに闘う決意です。
私は、4月の杉並区議選を2期目の挑戦として「戦争絶対反対」を掲げて闘います。自衛のために軍備は必要という国家・マスコミの大宣伝をぶち破って、この戦争の本質を、挙国一致の議会の欺瞞(ぎまん)を徹底的に暴き、労働者学生の巨大な反戦闘争をつくりだします。必ず勝利をもぎりとり、市東さんと三里塚の大地に届けます!