北総の空の下で 作業場にて 市東さんの営農守れ
週刊『三里塚』02頁(1100号02面06)(2022/11/28)
北総の空の下で
作業場にて
市東さんの営農守れ
市東孝雄さんの一日は、12匹の猫に餌をやるところから始まります。勝手口に群れを成して待っている中のチビネコを抱き上げて、道を挟んだ作業場に移動します。飯米を保管する保冷庫の中に、ネコの餌と牛乳も納まっているのです。続いて隣の黒板に、今回出荷する野菜のケース数と品目、数量、単品注文品を書き入れて、仕事に来たメンバーと手順を確認します。ネギを小分けに束ねたり、根菜を製品にこしらえたり、作業場での仕事は多いです。特に里芋は竹べらで固い根と太い茎をかき取るため、手間がかかり力も必要ですが、市東さんの手先は実にリズミカルで「好きな仕事」だと言います。今年の里芋は出来がいいので、作り甲斐があります。
1年を通して何かしらの苗が育っている育苗ハウス、トラクター等の農機具置き場、改築して反対同盟や決戦本部の会合場所として使わせてもらってきた〝離れ〟には、市東さんのカラオケもあります。隣接する畑、みょうが畑、市東宅を100年見守ってきた樫の木……それらを空港会社は根こそぎ奪おうというのです。生活の場に踏み込んできたのは大木よねさんの代執行以来であり、司法を取り込んだ戦時収用そのものです。
この状況下の緊急集会で「ともに明るい未来へ。三里塚を明るくしましょう」と発言できる市東さんはすごいと思います。年末の現地攻防を闘いぬいて、市東さんの生活と営農を守るために全力投球です。
北里一枝