決戦の地 天神峰に駆けつけ座り込みに参加しよう 強制執行実力阻止を 緊急現地闘争打ち抜く さらに12・11天神峰デモへ

週刊『三里塚』02頁(1100号01面01)(2022/11/28)


決戦の地 天神峰に駆けつけ座り込みに参加しよう
 強制執行実力阻止を
 緊急現地闘争打ち抜く
 さらに12・11天神峰デモへ

(写真 新看板の前で市東さん農地死守の決意を固めてシュプレヒコール【11月13日】)

(写真 成田空港会社本社に迫る初のデモコースを進撃)

(写真 反対同盟へ檄布が手渡された)

 市東孝雄さんの天神峰農地への強制執行が切迫する中、11月13日、三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける緊急現地闘争に全国から180人が結集し、成田空港会社(NAA)本社に迫る戦闘的デモが打ち抜かれた。緊急署名を武器に、仲間を組織して天神峰現地に駆けつけ、反対同盟と共に座り込もう。岸田政権は中国侵略戦争のための初の実動演習「キーンソード23」を強行し、改憲・戦争への道をひた走っている。反戦の砦=三里塚を解体するための三里塚農民に対する再びの国家暴力の発動を断じて許すな。
 反対同盟と支援連絡会議はこの日の朝、強制執行の対象地である天神峰農地の旧小見川県道に面した場所に新看板を設置した。「 No Farm, No Life.(農地なしには生きていけない) 農地死守」と大書されている。
 午後1時、天神峰農地と一体の市東さん宅の中庭で決起集会が始まった。(発言要旨別掲)
 反対同盟事務局の伊藤信晴さんが司会としてあいさつした。「NAAは市東さんの生活をメタメタに破壊し、奪った農地は中国侵略戦争のための軍事空港として使われる。こんなでたらめを許すわけにはいかない!」
 反対同盟を代表して、東峰の萩原富夫さんが発言した。「本日の緊急闘争から、11月27、28の連続闘争を一つの山場として、強制執行を許さないという決意と態勢を国家権力に見せつける。皆さんもぜひ27日から現地に座り込んでほしい。これは市東さん一人の問題ではない。強制執行を阻止しよう!」
 熱い注目の中、市東孝雄さんが発言に立った。
 「私にとっては農地は命、その農地を取るというなら受けて立つ。ここに集まった皆さんの力で跳ね返す、という気持ちでこれからも農業をやる。ともに明るい未来へ」。この鮮明な決意に全員が胸を打たれ、市東さんと心を一つにしてこの地を守り抜く決意を共有した。

傍観者にならず

 連帯発言として最初に、動労千葉の中村仁副委員長がマイクを握った。「動労千葉はジェット燃料輸送阻止闘争で解雇者を出しながら、反対同盟と連帯し闘ってきた。この戦争情勢に傍観者であってはいけない。一人ひとりが軍事空港反対の先頭に立とう。市東さんに大きな勇気をいただいた。農地を奪うことは絶対にさせない!」
 婦人行動隊の宮本麻子さんがカンパアピールに立ち、現地結集を訴えた。
 東京北部労組交流センター、神奈川労組交流センター、婦人民主クラブ全国協議会などが作り持ち寄った檄布が、反対同盟に手渡された。
 さらに諸団体の発言が続き、杉並星野文昭さんを救う会は、星野さんへの無期懲役刑は三里塚への攻撃でもあることを強調し、星野碑の立つ天神峰農地をともに守り抜く決意を表明した。
 婦人民主クラブ全国協の川添望さんは、百年耕す農地を機動隊暴力で奪うことへの怒りを表し、弾圧を恐れず「牢に満つるとも」女性が実力闘争の先頭で戦争に反対する覚悟を表した。
 全学連の学生が発言に立った。「全学連は現地常駐体制を強化し、私自身も市東さんの農地を守るため体を張って全力で闘う!」。この力強いアピールにひときわ大きな拍手が起きた。
 最後に決戦本部長の太郎良陽一さんが発言した。「空港周辺住民にも、市東さん農地強奪への怒りが広がっている。全国でも『市東さんの農業を守ろう』が合言葉になっている。国家権力の卑劣な攻撃を、誰も黙って見ていない。安倍、自民党がやってきたことにみんなが怒りを持っている。その闘いの先頭に三里塚が立ち、ここでスクラムを組み強制執行を阻もう!」
 怒りを一つにして団結ガンバローを三唱した上で、参加者全員で新看板が建つ旧県道沿いに並んで「人間の鎖」を形成し、「強制執行を許さないぞ」とこぶしを何度も突き上げた。

空港えぐるデモ

 東峰開拓組合道路からデモ行進に出発。宣伝カーからは宮本さんがシュプレヒコールをリードし、「大木よねさん以来の強制執行を許さないぞ!」の叫びを一帯にとどろかせた。
 この日のデモは、空港の中心部をえぐるように進む新たなコースだ。
 第3誘導路をくぐり抜けた上で、南台農地とは逆方向へ進み、取香(とっこう)地区へ。取香はかつて小泉(大木)よねさんも住んでいたところだ。取香橋手前を左折し、国道295号線(空港通り)を空港に向けて進んだ。第3ターミナル、貨物ビルなどの施設が目の前に近づいてくる。NAAの本社もほど近い場所にある。
 デモ参加者は怒りを倍増させ進撃。機動隊の規制をはねのけ、天神峰に戻るデモを貫徹した。

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反対同盟の決意
 集会発言

侵略戦争のための空港建設
 事務局員 伊藤信晴さん

 市東孝雄さんは「この地で農地を耕し、野菜を消費者に届けることが私の誇り。体の続く限りやっていく」と述べ、皆さんとともに築いてきた団結を守り通しております。このどこが間違っているのか、どこに罪があるというのか!
 市東さんの農地を奪って何に使うのか。中国侵略戦争へ向けた空港の軍事使用のためでしょう。こんなでたらめを許すわけにはいきません。
 孝雄さんの父・東市さんはビルマ戦線に動員されました。インパール作戦の中で、数限りない兵士が殺されました。ほとんどが餓死、赤痢、マラリアで命を落とした、そんな戦争だったんです。
 「革命的祖国敗北主義」「侵略戦争を内乱へ転化せよ」、これが東市さんの好きな言葉でした。その反戦の思いを引き継いだ孝雄さんの闘いをしっかりと受け止め農地を守り切りましょう。

私たちの力を見せつける時
 敷地内東峰 萩原富夫さん

 本日の緊急闘争にこれだけたくさんの仲間に集まっていただいて、大変心強い限りです。私たちは、情勢についてみんなで一致した認識をもって、今この強制執行阻止の闘いに立ち上がっています。
 NAAはものすごい勢いで攻撃してきている。この敵の準備の速さ、今すぐにもやりたいというような性急さに、私自身驚きました。
 そして事務局で議論を重ねながら、11月末が一つの山であるということで、本日の緊急闘争、27日の現地闘争、そして28日の耕作権裁判というところを頂点に、強制執行に立ち向かう私たちの力をNAA、国家権力に見せつける、絶対に強制執行を許さないという決意と態勢を構築していくという決意でおります。
 皆さんもぜひ27日から座り込んで、絶対に許さないという決意を示していただきたいと思います。現地もその態勢づくりの準備に入ります。
 これはひとり市東さん、あるいはわれわれ反対同盟だけの問題ではありません。今後空港機能強化が進められる中で、ますます周辺住民の皆さんにとっても、空港がやるとなったら、国家暴力によって土地を奪っていくということの現れです。他人事ではなく自分たちの問題であることを訴え、空港周辺の皆さんとともに、執行阻止へ闘いと思います。

卑劣な土地強奪を許さない
 婦人行動隊 宮本麻子さん

 市東さんの祖父の代から百年にわたって耕してきたこの豊かな農地を奪うことは許されません。農地は農民の命です。
 71年の大木よねさんの代執行の時、公団は何をしたか。「明日は強制代執行はしない」と言っておきながら、突然やってきてよねさんを暴力的に排除した。
 現闘本部破壊の時も、8月6日、みんなが広島に闘いに行っている日を狙ってやってきた。空港公団=NAAは「用地取得のために強制的な手段はとらない」と約束したはずなのに、その言葉はどこへ行ったのか。
 本当にどんな卑劣な手段でやってくるかわかりません。私たち反対同盟は24時間の監視態勢を強化し、ここで座り込み態勢をとっています。敵がこの土地に入ってこようものなら、すぐみんなに結集を呼びかけたいと思います。

みんなの力で攻撃はね返す
 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 (強制執行の攻撃について)ついに来たかという人もいると思います。私もこちらへ帰ってきて22年目になりました。
 農地法裁判より先に始まった耕作権裁判がまだ続いています。NAAの不正義きわまりない訴訟ですね。NAAは原告であるならば、もっといろんな証拠を出してくるべきなんですよ。だけどこちらが反論した時だけしか反論しない。ですからこの裁判は16年たった今も前に進まない状況です。それで千葉地裁の裁判長は、「16年やったんだからもういいんじゃないか」(早く終わらせたい)みたいなことをこちらに言う。じゃあ、NAAに向かって証拠隠しの違法を指摘して証拠を出せと、なぜ言えないんだと。そういうことで延びてるだけなんです。
 判決は判決として(強制執行をやるというなら)やればいいんですよ。受けますこっちは。そういう意気込みです。やはり私にとって農地は命そのものです。ですから、その農地を取るというのなら、私だけでなくここに集まられた皆さんの力ではね返すという気持ちで、これからも農業をやっていきます。
 最近は「からだが続く限り」って言ってますけど、私はまだまだ大丈夫です。ともに、明るい未来へ。三里塚をもう一度明るくしましょう。

スクラム組み執行を阻もう
 決戦本部長 太郎良陽一さん

 この場所は三里塚闘争にとっては非常に重い場所だと思います。孝雄さんの父東市さん、母ときさんがここで踏ん張ってきた姿が目に焼き付いています。決して忘れることはありません。
 萩原進事務局次長の提唱で始まった空港周辺住民への宣伝活動も続けられ、住民団体が飛行差し止めを求める新たな裁判を起こそうとしています。全国の人びとの間でも、「三里塚の市東さんの農業を守ろう」が合言葉になっています。
 だからこそ、NAAはこの市東さんの農地をつぶそうとしている。強制執行がやられたら、全国の人びとは必ず怒る。サギをも使って、国家権力が総力をあげて市東さんの農地を奪う。こんな理不尽で卑劣なことをだれも黙って見ていない!
 来るなら来い! この強制執行に立ち向かい農地を守る陣形を、みんなで作ろうじゃありませんか。スクラムを組み、強制執行を阻みましょう!

実力闘争に未来がある
 全学連

 全学連は、この半年間、5・15沖縄「復帰」式典弾劾闘争、5・22日米首脳会談・クアッド会合粉砕闘争、8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争、そして、9・27国葬粉砕闘争を実力で闘ってきました。国葬粉砕闘争の過程では、多くの青年、学生との結合を勝ち取りました。そこで初めてデモに参加した学生が、今日もここ三里塚に来ています!
 この闘いの中でつかみ取ったことは、われわれ労働者、学生、農民が実力で闘うことで未来を勝ち取れるということです。その確信を基に、11・6労働者集会に大結集をつくりだしました。
 全学連は、この地平を活かし、農地収用阻止のために現地常駐体制を強化し、三里塚闘争絶対勝利のために闘い抜きます。そして私自身も、市東さんの農地を守り抜くために体を張って全力で闘います。

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