空港拡張差し止め裁判 「機能強化は違法」 新訴を併合し再出発
週刊『三里塚』02頁(1099号02面03)(2022/11/14)
空港拡張差し止め裁判
「機能強化は違法」
新訴を併合し再出発
10月21日、千葉地裁民事第3部(内野俊夫裁判長)で、第3誘導路裁判が開かれた。この裁判では、国とNAAに対しB'滑走路の2500㍍への延長、第3誘導路建設という二つの変更許可処分の違憲・違法を追及してきた。
反対同盟は新たに8月3日、B'滑走路の再度の北延伸による3500㍍化、第3滑走路新設という施設変更許可処分(20年)の無効確認、および関連工事の禁止を求める訴えを千葉地裁に起こした。この新訴が第3誘導路裁判に併合され、「空港拡張差し止め裁判」としてこの日、最初の期日となった。
反対同盟顧問弁護団が訴えの趣旨を述べた。
国(国土交通省)は1966年当時の空港の「基本計画」を改訂し、機能強化に向けて「B滑走路北延伸、第3滑走路新設、敷地面積を2297㌶に拡大」などの施設変更を許可した。この許可は無効だ。すでに北延伸のための東関道付け替え工事が始まっているが、これら機能強化に関連する一切の工事を直ちにやめよ。航空法第39条で定める空港設置計画の条件に反し、環境影響評価法にも違反し、シカゴ条約(国際民間航空条約)にも違反している。
そして、この長大な滑走路を持つ空港が、岸田政権のもとで一大兵站(へいたん)基地、軍事空港として造られ使われようとしていることは、憲法第9条違反である。さらに憲法で保障されるべき環境権、生存権、営農権を踏みにじっている。飛行と関連工事一切の差し止めを求める!
弁護団はさらに、航空機騒音による住民の健康被害について厳しく指摘した。そして求釈明として「B'暫定滑走路はいつB滑走路になったか、両者の関係を明らかにせよ」「国はNAAに対し、騒音改善措置を命じているかを明らかにせよ」と突きつけた。