「移転区域」に住民の怒り 第110回周辺一斉行動に立つ
「移転区域」に住民の怒り
第110回周辺一斉行動に立つ
反対同盟と支援連絡会議の仲間は9月18日、110回目の空港周辺情宣一斉行動に立ち上がった。午前8時半に成田市天神峰の市東孝雄さん宅離れで朝の打ち合わせを行った。(写真)
東峰の萩原富夫さんが9・2新やぐら控訴審判決闘争―9・4現地闘争の労をねぎらいつつ、「市東さんの農地を守るためにも機能強化を粉砕する闘いを強めよう。周辺住民からもすべての空港拡張計画撤回を求める新署名を集めよう」と呼びかけた。
白枡の伊藤信晴さんは、芝山町が行っている「騒音対策」のお粗末な実態への怒りの声を紹介した。
この日用意された反対同盟ニュース第105号は9・4現地闘争の成功を報じ、10・9全国集会への結集を呼びかける内容だ。また、反対同盟が8月3日、国によるNAAへの機能強化に伴う施設変更許可の無効確認と第3滑走路建設など関連する工事差し止めを求め、千葉地裁に提訴したことを紹介。「地域住民の声」では、機能強化で静穏時間を4時間にするのはとんでもない人権無視であり、孫子のためにも人任せにできないとの危機感あふれる声が掲載されている。
打ち合わせを終えた仲間は担当地域へ。
この日は、あいにくの雨模様。サツマイモの選別・出荷作業など忙しく働いていたある農家は「今年のイモ(紅あずま)は大きくなりすぎて出荷できない」と嘆きつつ「市東さんの農地問題もずいぶん長くなるね。裁判所は国の方だけを見て結論づけている」と裁判所の姿勢を弾劾した。
敷地内移転区域の住民は、「NAAからの買収費用では建築資材の高騰で移転費用が赤字になる」。また「工期の延長は不可避」との情報も寄せられた。
騒音下での移転区域の住民は「移転先は自分で見つけろ。田畑の補償は家に隣接しているところだけ」というNAAの対応に怒りを表明し、「まだこの部落で移転した人はいないよ。誰も生まれたこの土地を離れたいとは思っていない」と心のうちを語った。さらに別の住民は「遠くから田んぼに通うことになるなんてとんでもないこと。反対同盟の活動はありがたい。これからもがんばってください」と激励の声。
芝山町中心部に住む住民は、「空港推進派は今がっかりしているよ。空港利用者があまりに少なく働く人が必要とされていない状況だから。このあたりでも個人でやっていた店は全部つぶれた」と空港一辺倒の経済のもろさについて怒りを込めて語った。
婦人行動隊の宮本麻子さんも担当地域を回り、安倍国葬について大いに語り合った。住民は「国葬の金があるなら生活に困っている人に役立てるべき」と語り、同盟ニュースを「友人にも配りたい」と求めた。
空港拡張反対の新署名にも多くの住民が応じてくれ、お茶を差し入れてくれる住民もあった。
夕刻、離れに再結集した仲間は一日の集約を行った。太郎良陽一決戦本部長が「安倍国葬への怒りの高まりを感じる。10・9全国集会と一体で前日の天神峰夜カフェへの参加を」と呼びかけた。
反対同盟が空港拡張計画の白紙撤回を呼びかけるネット署名はこちらから