団結街道
週刊『三里塚』02頁(1093号01面06)(2022/08/08)
団結街道
広島初の百貨店=「福屋」の出店を機に、銀座を超える意気込みで「金座街」と名付けられた通りの一角にあるアカデミー書店▼1940年創業の老舗古本屋で、学生時代にはずいぶんとお世話になった。久しぶりに訪れると峠三吉全詩集が格安で出ていたので購入した。帯文は「明日の死者たちの叫び」。「明日の死者」とは原爆症でいつ死ぬともわからぬ不安を抱えた被爆者か▼峠は、「意志のほむら(人民大会)」で、日本製鋼所広島工場の争議(1949年)への3000人の武装警官突入という不当弾圧に抗議する闘いを描いた。「憎むべきものを憎みえぬものは去れ!/怒るべき時に怒りえぬものはゆけ!(中略)雨注ぐ石畳の上に腰を据えた民衆の意志の火群(ほむら)に/鋭角となってゆらぐ/旗! はた! ハタ!」▼730人の人員整理案。GHQの下部組織=軍政部によって閉鎖された工場。県労働組合協議会は「日鋼防衛共同闘争委員会」を設立。「地域人民闘争」のスローガンを掲げ、闘争支援者を無料で運ぶ「人民電車・バス」。「首切り反対」だけでなく、「二度と兵器工場にするな」の反戦の思いが戦後広島最大の争議を生んだ▼被爆77周年、明日の死者たちの叫びが聞こえる。いま その時がきた(中略)せんそうをしてくれるな/せんそうはやめてくれ/やめさせるぞ!と/こんどこそ命がけでたちあがる/その時がきたぞ!「題のないうた」より