農地死守、軍事空港粉砕を
　天神峰樫の木まつり盛大に
　反対同盟が空港拡張阻止へ新署名を提起

　三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する第５回天神峰樫の木まつりが７月３日、成田市天神峰の市東孝雄さん宅中庭で開かれ、１３３人が集まった。全参加者は大いに交流し、市東さんの農地を守る決意を新たにした。また、反対同盟はこの日をもって「地球環境の破壊と気候変動をもたらす、すべての空港拡張計画の白紙撤回」を求める新たな署名運動を提起した。軍事空港絶対反対、農地死守・実力闘争を貫く三里塚農民の呼びかけに応え、全力で署名を集めよう。
　正午過ぎに市東さんの南台の畑に集合。「Ｂ滑走路誘導路の直線化にじゃまだ」という理由で、ＮＡＡ（成田空港会社）は市東さんにこの土地の明け渡しを迫っている。だがこの畑は市東家が１００年耕してきた耕作地であり、機動隊暴力と違法・脱法の手口を使って侵略してきたＮＡＡの言い分にはなんの正義も正当性もない。
　参加者は意気高くシュプレヒコールを上げてデモ行進に出発。「強制収用実力阻止、市東さんの農地を守ろう」と大書された横断幕を掲げ公道に繰り出した。宣伝カーからは、婦人行動隊・宮本麻子さんの農地死守のアピールが一帯に響き渡った。第３誘導路のトンネルを抜け天神峰の市東さん宅前までのデモを貫徹した。
　到着早々参加者は、樹齢百年とも言われる樫の木がそびえ立つ市東さん宅中庭の会場で、現闘本部の同志たちが用意した豚汁ときゅうり、麦茶でもてなされた。具の野菜はもちろん大地の恵みの無農薬作物で、汗にまみれた人々の心身を潤し笑顔を広げた。

気候変動阻止を

　司会の宮本さんが開会を宣言し、事務局員の伊藤信晴さんが主催者あいさつに立った。（発言要旨別掲）
　伊藤さんは、「軍事空港阻止、農地死守」を貫いて大反動を打ち砕く決意を明らかにした。
　連帯のあいさつの最初に動労千葉の中村仁副委員長が立ち、「戦争を止めるのは労働者・農民・市民の団結の力」と強調し、７・17国鉄全国集会への参加を呼びかけた。
　関西実行委のあいさつに続き、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の西山直洋執行委員は、「労働者・農民の団結で社会を変革し岸田自公政権を倒そう」と訴えた。
　市東さんの農地取り上げに反対する会の発言に続き、全国農民会議共同代表の小川浩さんは、「日本農民の生きる道は労働者と共に、三里塚と共にある」と信念を表した。
　続いてお待ちかねの音楽の時間に。
　関西からシンガーの川口真由美さんが、ギターの稲野真人さんと共に登場。辺野古などの闘争現場で鍛えた力強い声で、反戦平和を志す人間賛歌を歌い上げた。稲野さんも権力者を切れ味よく撃つ曲を弾き語りした。
　続いて、東峰の萩原富夫さんが、農作業と同盟活動のかたわら練習を重ねてきたエレキベースを携えて登場。「農地は命！　農地を守ろう！」とシャウトする自作のパンクロックを披露し、聴衆の度肝を抜き、大いに盛り上がった。
　ここで冷えたスイカがふるまわれ、またしても参加者の五感を心地よく刺激した。
　宮本さんが強制執行攻撃と闘うカンパアピールを行った後、司会を太郎良陽一さんに交代。
　市東さんの農地を守る会・茨城、大坂正明さん救援会、婦人民主クラブ全国協議会、星野全国再審連絡会議などが三里塚と連帯して闘う決意を表した。
　白ヘルをかぶった全学連の３人が登場した。「空港と戦争を止めてきた三里塚の位置は決定的。新しい学生を現地に呼び寄せて、反戦の闘いを巻き起こす」「実力闘争で市東さんの農地死守決戦を断固闘い抜く」「上告棄却から１年間、農地接収を許してない勝利を確認し、夏の援農、10月全国集会に駆けつける」。それぞれのフレッシュな発言に拍手と声援が飛んだ。
　抽選会が賑やかに行われ、反対同盟のＴシャツ、はちまきが当選者に授与され歓声が飛び交った。

決戦本部が訴え

　日々現地で「強制執行実力阻止」の態勢をとる決戦本部に集う仲間が前に並び、「さらに多くの人が天神峰現地へ集まることが、農地取り上げを阻む力になる」と全力でアピールした。
　満を持して市東さんがマイクを握り、普段からの団結を大事に強制執行攻撃と闘う決意を語った。この市東さんの意気込みと覚悟に、熱い共感の拍手が続いた。
　行動提起として太郎良さんが新署名の拡大、裁判闘争への傍聴、現地への結集を呼びかけ、最後に全員で「反対同盟の歌」を熱唱。団結ガンバローで締めくくった。