北総の空の下で 畑での共存 根こそぎ破壊の戦争
週刊『三里塚』02頁(1090号02面05)(2022/06/27)
北総の空の下で
畑での共存
根こそぎ破壊の戦争
梅雨寒----6月半ばに冬布団とは近年なかったことです。夏野菜の中でも温度が必要なオクラやゴーヤには過酷な天候です。一方、季節によって主役を変えながら多種類が共存する雑草は梅雨時が一番元気。 『グリーンプラネット』という番組で、雑草は最初に環境に適応するパイオニアだと。植物が生きぬく戦略のしたたかさと多様性に圧倒されました。農家にとっては、定植したり芽が出たばかりの作物が草に負ける前に手助けが必要で、雨と出荷作業の合間を縫って草との競争が続きます。虫の活動も活発で、防虫ネットからはみ出したキャベツは葉脈のみのレース状態。ワシワシと葉を食べる音が聞こえるようです。草と虫の勢いに舌打ちしながらも、有機栽培の畑は彼らと緩やかな共存関係にあると思います。
私たちの日常の営みと共に、自然も人も虫も草も根こそぎ破壊するのが戦争です。泥沼化するウクライナを横目に見ながら参議院選挙に突入しました。国を守るために改憲・軍拡を!と叫ぶ自公、追随する野党。日本がかつて中国とアジア諸国に無謀な侵略戦争を仕掛けた時も、国を守るための正義の戦争だといいました。今のロシアと全く同じです。
日本はアメリカから言い値で武器を買い、米中戦争に参戦する道へ踏み出そうとしています。軍事も経済も日本が侵略した時とは桁違いの大国と、ミサイルの応酬になる惨禍を受け入れるのか? 断じて否、声を上げるのは今です。
北里一枝