入管体制を粉砕しよう 戦争情勢と対決し全国交流集会
週刊『三里塚』02頁(1086号02面03)(2022/04/25)
入管体制を粉砕しよう
戦争情勢と対決し全国交流集会
(写真 田中宏さんの講演に聞き入る参加者【10日】)
4月10日、横浜市神奈川公会堂で「入管法改悪阻止!入管体制解体!第31回全国交流集会」(主催、入管法と民族差別を撃つ全国実行委員会)が開かれ、300人が参加した。
ビデオ「ミャンマー連帯」上映後、主催者あいさつに立った全国実行委の鎌田由子さんは、岸田政権が昨年廃案になった入管法改悪案を再び持ち出したことを弾劾し、絶対阻止を訴えた。また、ウクライナ戦争を利用した改憲・戦争攻撃と岸田政権の中国侵略戦争―世界戦争攻撃との対決を日本労働者階級の課題として提起した。
続いて発言した在日ロシア人は、ウクライナ戦争の本質を労働者の立場で鋭く追及した。彼は、戦争は「それぞれの国の大資本に奉仕する支配階級の衝突、覇権争奪」であることを鮮明にし、「帝国主義の戦争を階級戦争に転化しよう。労働者階級として団結し、自国政権に反対して立ち上がろう!」と訴えた。さらに「ゼレンスキー政権も大資本と過激ナショナリストが合併した政権だ」と暴露した。
国軍クーデターとの命がけの闘いを貫くミャンマー人民からは、在日ビルマ市民労働組合代表のミンスイさんとビルマ民主化活動家の2人が登壇し、「ビルマ国軍は、武力で抑圧する。労働者の団結で打ち破る」「労働者の団結こそ、戦争を止める」と力強く訴えた。
今回のメインは、一橋大学名誉教授の田中宏さんの「『告発・入管体制』から考える50年」と題する講演だ。東大法共闘編『告発・入管体制』(亜紀書房)の発刊は、1971年。発刊をめぐる入管闘争の問題提起をまとめ、以降の50年間を振り返る貴重な内容であった。田中さんは、入管体制が当初から外国人を「犯罪者予備軍」とみなして排斥し、管理・抑圧の対象としてきたこと、戦後の日本が戦前の植民地支配と侵略戦争の責任を全くとらず、居直り続けてきたことが背景にあると論じた。
入管収容所闘争を闘う現場からの発言では、SYI(収容者友人有志一同)の東京入管と闘う織田朝日さん、牛久入管収容所問題を考える会の田中喜美子さん、さらに難民申請者・仮放免者から、スリランカ人女性ウィシュマさんの虐殺後も被収容者を人間扱いしない入管当局に対する怒りの告発が行われた。
闘う労働組合からの報告と決意表明では、合同・一般労組全国協議会でさいたまユニオンの新井拓書記長が、コンゴ内戦を逃れてきた外国人労働者と一緒に登壇し発言。動労千葉の中村仁副委員長は、3月に戦時下での48時間ストライキを貫徹したことを報告し、階級的労働運動の再生と国際連帯で戦争を止める11月労働者集会への結集を呼びかけた。
閉会あいさつで金元重さんは、入管体制粉砕の闘いが求められることを強調した。
(大戸剛)