団結街道

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週刊『三里塚』02頁(1085号01面05)(2022/04/11)


団結街道


 花見の季節がやってきた。だが新型コロナ感染爆発以降、三里塚現地では開催できずにいる。年に一度しかない行事が消えつつあるのは残念至極だ▼桜の花には年度の変わり目を知らせる役割がある。新年度を迎えるワクワク感と満開の桜の華やかさは確かにベストマッチと思う。だが実は日本の年度の始まりが4月なのは、軍事的な理由からだ▼明治政府は「富国強兵」を唱え軍事費を野放図に拡大した。1884年、大蔵卿(当時)の松方正義は赤字を「解消」するために翌年の予算(酒造税)の一部を3カ月繰り上げて計上した。さらに翌々年(1886年)の「会計年度」の始まりを4月に変更し、1885年度を9カ月に短縮した▼この変更に伴い、徴兵令が改定され、徴兵対象者の届け出期日が9月1日から4月1日に変更となり、陸軍士官学校も4月から新学期となった。9月入学のままでは軍隊に堅固な人材が取られてしまうという危機感から高等師範学校が4月入学制を採用。1888年に府県立尋常師範学校が、1890年に小学校、旧制中学が、1919年に旧制高校が、1921年に帝国大学が4月入学となり「学校年度」は完全に4月始まりとなった。桜の開花に合わせたのではない▼人は桜に合わせ花見をするが、花見をするために桜を咲かせることはできない。無情にも散りゆく桜の花びらを眺めつつ、今日もまた一人花見の宴(の飲酒)を我慢我慢。
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