芝山に「空港廃港」の声響く 妨害打ち破り文化センターで集会 第3滑走路造らせない
芝山に「空港廃港」の声響く
妨害打ち破り文化センターで集会
第3滑走路造らせない
3月27日、三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する芝山現地闘争が、労働者・農民・学生・市民285人の参加で闘い取られた。集会場は、相川勝重前町長の妨害を1年がかりで粉砕してかちとられた芝山文化センター(千葉県山武郡芝山町)だ。あきらめずに闘えば勝てることを幾度となく証明してきた反対同盟の不屈の闘魂を職場・学園・街頭に押し広げ、ウクライナ侵略戦争を許さず、戦争絶対反対の行動に立とう! 決戦本部と共に現地闘争を闘おう。延期となってきた裁判闘争もふたたび動き出す。千葉地裁で行われる4・22第3誘導路裁判―4・25耕作権裁判、最終弁論となる5・9新やぐら控訴審・東京高裁包囲デモへ全力で駆けつけよう。
芝山町は成田空港の南側に接し、開港以来激しい騒音にさらされてきた。そして国とNAA(成田空港会社)によって一方的に、「空港機能強化」として北部の1千㌶もの広大な地域が第3滑走路(3500㍍)の建設予定地とされ、多くの住民が追い出され、田畑、山林がつぶされようとしている。この文化センターはかつて国土交通省主催の機能強化「公聴会」でも使われてきたが、ついに反対同盟が同じ場所で町民の声を背景に「空港反対」の集会を開くに至ったのだ。
開会に先立ち、現地闘争本部が作成したスライドが上映された。市東さんの農地をめぐる裁判闘争、強制執行攻撃との闘い、第3滑走路建設計画の内容、文化センター貸し出し拒否との攻防、改憲・戦争・軍事空港造りとの対決、そして新たな闘争課題となった気候変動問題などが豊富な写真を駆使して解説された。
前半の司会を務める決戦本部長・太郎良陽一さんが開会を宣言した。
芝山町の白桝地区に住む伊藤信晴さんが主催者あいさつに立った。激動情勢を勝利に向けて闘う決意と呼びかけを行った。(発言要旨別掲、2面も)
続いて、この日参加できなかった東峰の萩原富夫さんのメッセージを、婦人行動隊・宮本麻子さんが代読した。
連帯のあいさつの最初に動労千葉の関道利委員長が登壇した。岸田政権の改憲・戦争攻撃と実力対決することを訴えた。国軍の弾圧と闘うミャンマーの仲間と連帯し25年目を迎える11月労働者集会の画期的成功に向けて奮闘することを呼びかけた。
関西実行委のあいさつに続き、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の西山直洋執行委員は、生コン業界でかけられている労働条件・賃金への攻撃を暴き、不当弾圧との闘いを報告した。
天神峰の市東孝雄さんは農地を守る揺るぎない決意を表し、惜しみない拍手が送られた。
核戦争阻止を
続いて反対同盟顧問弁護団が登壇した。事務局長の葉山岳夫弁護士は、農地を守る闘いと核戦争阻止・反戦闘争の一体性を強調した。
市東さんの農地取り上げに反対する会、群馬・市東さんの農地を守る会が決意表明した。群馬の大塚正之さんは、群馬合同労組の仲間が守る会の先頭で闘っていることを報告した。
全国農民会議の小川浩共同代表は日本農業の危機の現状を訴えた上、米がかつて占領するイラクにおいて「農業の近代化」の名で多国籍企業の農業支配をほしいままにさせたことを暴いた。
婦人行動隊の宮本麻子さんはカンパアピールに立ち、ウクライナ、ロシアの反戦闘争と連帯して、市東さんの農地を守る決意を表した。
集会後半は宮本さんの司会のもとで、まず芝山町民のAさんが発言に立った。成田空港の深夜早朝の飛行禁止、騒音被害への賠償を求める提訴への支援を訴えた。
続いて壇上には決戦本部に集う仲間たちが勢ぞろいし、太郎良さんが最新の「決戦本部ニュース」第21号を読み上げ、「強制執行実力阻止」へともに立つことを呼びかけた。集会の最後に、太郎良さんが行動方針として4月25日の耕作権裁判などの裁判闘争を確認した。団結ガンバローを三唱し、集会の大成功を確認した。
「機能強化やめろ!芝山廃村化許すな!」の横断幕を掲げ、反対同盟を先頭に約2・5㌔のデモ行進に出発。曇り空のもと、宣伝カーから発せられる宮本さんのアピールが一帯に響き、こだまとなって返ってくる。家からじっと見守る住民に、デモ参加者は手を振り激励した。
相川は1997年から24年間も町長の職に就き、住民の声を圧殺しながら空港利権頼みの町政を続けてきた。後釜の麻生孝之新町長も同じ道を進んでいる。だがそれを食い破り、反対同盟の存在にも励まされ、住民の闘いが力強く前進している。今日はその新たな出発点だ。
警察・機動隊の規制をはねのけながら町のすみずみまで声を届け、デモは再び文化センターに到着し、この日の勝利を実感した。