茨城で「守る会」総会 農業問題学び決意新たに
週刊『三里塚』02頁(1084号02面02)(2022/03/28)
茨城で「守る会」総会
農業問題学び決意新たに
(写真 茨城の第5回総会をかちとり農地死守を誓い合った【13日 土浦市】)
3月13日、市東さんの農地を守る会・茨城の第5回総会を茨城県土浦市で開催しました。最初に『農業消滅』(鈴木宣弘著、平凡社新書)をテーマに、全国農民会議会員が学習会を開催。
小麦やトウモロコシが値上がりする中、日本は飢餓状態になる可能性があります。21年は米価が安く、政府の「コメを作らないで」政策は、コメを作る態勢がなくなるということです。気候変動で食物不足になり、こんどは急に「作れ」と言われても態勢がなくなっているので作れません。
日本の食料自給率はカロリーベースで37%、大豆7%、トウモロコシ0%、パン用小麦3%です。牛肉や豚肉50%、卵は100%の自給率ですが、牛・ブタ・鶏のエサは70〜80%が輸入です。ヒヨコのエサは100%輸入。野菜の種は80%輸入、肥料のリン酸とカリは100%輸入。戦争で輸入が止まったら食べ物はなくなります。
自然とそうなったわけではありません。1970年代以来の貿易自由化と反比例して自給率が下がりました。政策としての農業破壊です。
このほか、種子法廃止・種苗法改悪で新自由主義大企業がいかに農業を収奪しようとするのか詳しく報告されました。
次に、三里塚現地闘争本部の神部俊夫さんから現地報告を受けました。
市東さんの農地をめぐる請求異議裁判は最高裁で上告が21年6月に棄却され、法的にいつ強制執行があってもおかしくない状況です。決戦本部を立ち上げ、深夜から早朝まで毎日交代で市東さんの農地に見張りを立てています。これまでの強制執行は常に深夜早朝の不意打ちで行われてきたからです。耕作権裁判・新やぐら裁判での重要な内容の弁論・意見陳述にNAAは追い詰められています。裁判や集会や一斉行動は、強制執行を止める力になっています。
「空港機能強化」とは、B滑走路を1千㍍北側に延長して3500㍍とし、さらにC滑走路3500㍍を新設、空港敷地は1099㌶拡張されます。成田空港2倍化、新たな空港を作るほどの大工事です。盛土・切土は東京ドーム33杯分。東関東自動車道と国道296号はトンネル化され、いくつもの市道が廃止され付け替えられます。
長い滑走路になると航空機は低空の離着陸が可能となり、芝山一帯から茨城県稲敷市まで騒音拡大が予測されます。コロナ禍・戦争・不況の時代に、航空需要として全く必要のない大空港新設は、戦争のための空港建設に他なりません。
天神峰カフェでのB滑走路延長予定地フィールドワークも報告され、茨城の会でも企画したいと話は盛り上がり、仲間に呼びかけ3・27芝山現地集会に参加することになりました。
現地報告と農業問題を時間をかけてじっくり学べ、三里塚闘争の重要性、自分たちの生活、地域、労働とのつながりの深さを改めて認識し、今後の取り組み強化を決意できる総会となりました。三里塚現地で会いましょう。
(市東さんの農地を守る会・茨城 N)