ロシア軍は撤退せよ、米帝は手を引け ウクライナ侵略戦争激化に対し、命をかけた人民の反戦決起続く

週刊『三里塚』02頁(1084号01面03)(2022/03/28)


ロシア軍は撤退せよ、米帝は手を引け
 ウクライナ侵略戦争激化に対し、命をかけた人民の反戦決起続く

(写真 ロシア国営放送の生放送中に反戦決起を呼びかける女性労働者)

(写真 ウクライナの捕虜となり記者会見で戦争反対を訴えるロシア軍兵士)


 2月24日のロシア軍の軍事侵攻後、ウクライナの全土で激しい戦闘が続いている。ロシア軍の攻撃は見境なく激化し、原発までもが砲撃され、プーチンは核兵器の使用を口に出している。今この瞬間も人々の生活が破壊され命が奪われている。国内外に逃れた避難民は、1千万人(人口の2割超)に達した。
 戦争をやめよ! ロシア軍は直ちに撤退せよ。米帝・NATOはウクライナから一切手を引け!

虚偽に満ちたプーチン演説

 3月18日、モスクワのルジニキスタジアムを満員にして、クリミア半島併合から8年の「記念集会」が開かれた。プーチン大統領は演説に立ち、「ウクライナ東部住民を集団殺害から救うことが特別軍事作戦の目的」と恥知らずな弁で侵略戦争を正当化した。
 ロシア国営放送をはじめ主要マスコミが虚偽に満ちた戦争翼賛報道を繰り広げる一方、反戦を唱える独立系メディアは次々と遮断され、反戦デモでの拘束者数は1万5千人を超すと言われる。
 だが虚偽宣伝と強権弾圧を使っても、この戦争に一片の正義もないことは隠しようがない。
 プーチンは「ロシアとウクライナの歴史的一体性」を強調しながら、ウクライナに無条件服従を要求している。
 「現代のウクライナはボリシェビキ共産主義によって、ロシアの土地を分離・切断してつくられた」「レーニンがウクライナに民族自決権を認めたのが誤りだった」、これがプーチンの持論だ。そして自らが大ロシア帝国の版図(はんと)とソ連スターリン主義の遺産(資源、産業、支配機構、軍事力)の継承者であると押し出し、ウクライナへのゆがんだ憎悪を吐露しているのだ。
 このような不正義の戦争に動員され、ロシア兵の命もまた大量に使い捨てにされている。戦争計画は見通しも甘くズサンかつ凶暴で、圧倒的物量をもって攻め込み一定の地域を制圧しながら、ロシア軍の軍規は崩壊の危機に直面している。

NATO拡大が招いた危機

 このウクライナでの戦争は2・24に突如始まったものではなかった。2014年の「マイダン革命」=親ロ政権崩壊以来、ロシアのクリミア半島併合、東部における政府軍と親ロ武装勢力との戦闘(死者1万4千人)として8年間も戦争は続いてきた。
 米バイデン政権は、この戦争を「民主主義対専制主義の戦い」と美化するが、当のアメリカ帝国主義をはじめとしたNATO(北大西洋条約機構)の東方拡大政策こそが、ロシア・プーチン体制を追い詰め全面的な軍事進攻へといたらせた根本要因である。
 ソ連スターリン主義の崩壊後、「役割を終えた」はずの軍事同盟NATOは、むしろ域外への軍事介入を強めながら東欧を取り込んで勢力圏化を進め、対ロシア包囲を強化した。米帝はウクライナへの莫大な軍事援助を進め、プーチン政権転覆をも視野に入れた反ロシア工作を進めた。その中には、東部での領土戦争における極右民族主義武装集団へのあからさまな支援も含まれる。
 そして今NATO諸国は超高性能の高額な最新兵器をウクライナ軍に提供し、それによる攻撃に翻弄されたロシア軍が無差別攻撃を一層エスカレートさせている。
 米帝バイデンもプーチンと並ぶ、いやそれ以上の戦争放火者だ!
 本来兄弟的民族としてあるウクライナとロシアの人民は、未曽有の苦しみをのりこえて戦争反対の声を上げている。
 弾圧に屈せず、ロシアの街頭に反戦デモが繰り出している。ウクライナ住民は勇気をもって駐留ロシア兵を糾弾している。ロシア軍の中から命令拒否やサボタージュが起きている。
 日本の地からもこれに応え限りない連帯を込めて、日米安保粉砕・岸田打倒へ立ち上がる時だ。

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