大地の響き 投稿コーナー コロナ危機救った人参 三多摩 新井佳世子
週刊『三里塚』02頁(1081号02面07)(2022/02/14)
大地の響き 投稿コーナー
コロナ危機救った人参
三多摩 新井佳世子
連日、全国での感染者数が10万人を超える勢いで拡大しているオミクロン株の波は例外なく私の職場にも訪れました。1月19日にひとりの職員の感染が確認されてから2月7日まで約20日間感染対策が講じられました。
私の職場は介護施設(特養)なので感染が拡大するのはあっという間です。同じ法人では30人規模のクラスターが2回も起きていました。私たちはその経験を繰り返さないよう、労働者と入居者の命を守るためにこの2年間労働組合として闘ってきました。結果として入居者2名の感染に留められ、職員は感染しませんでした。「闘いなくして安全なし」を強く実感しています。
そうは言っても、現場は大変でした。過労で体調を崩し欠勤する人や家庭の事情で出勤できない人などただでさえ人が少ない中で極限的な人員不足となり毎日残業でした。私は「このままだとみんなが倒れてしまう」と思い、三里塚から大量に人参を購入して職員に配りました。するとみんな口々に「あの人参、すごく美味しかった!」「ジュースにして飲んだ!」「皮が柔らかくてそのまま食べた!」千葉県出身の方が「三里塚はいい土なんだよね。あそこに空港を造るなんて間違っているよ!」などなど...疲労で淀んだ空気が明るくなったのです。その上「こんなに美味しい野菜なら定期購入したい!」と言ってくれる人まで現れました。
コロナ危機を救ってくれた人参を育てて下さったみなさんに感謝します!!