「BC滑走路整備計画」パンフ 生活・自然破壊し尽くす大工事 住民の怒りを集め粉砕しよう
「BC滑走路整備計画」パンフ
生活・自然破壊し尽くす大工事
住民の怒りを集め粉砕しよう
NAAは、「成田空港の更なる機能強化滑走路整備計画の概要について」と題するパンフレットを発表した。NAAは、20年1月の航空法に基づく空港等変更許可後、各種現地調査等を進めてきたが、今回BC滑走路の整備・工事計画を具体的に示し、今秋以降の工事着工を初めて宣言した。B滑走路延伸工事22年秋、C滑走路新設工事の23年度開始の攻撃を周辺住民と共に粉砕しよう。
パンフレットは、B滑走路延伸整備計画、C滑走路新設整備計画、付替・補償道路計画、雨水排水等計画、今後の工事の進め方、環境保全計画の全22㌻。その中身は、「現状」(埋蔵文化財調査等各種現地調査を実施中)、「ステップ1」(工事)、「ステップ2」(完成)の3枚の図絵と「数量的規模」なる説明のみだ。
「数量的規模」の記載において、「高谷川排水整備工事」「付替・補償道路整備」「空港整備」の3項目の「概算めいたもの」を挙げている。
この整備計画で明らかになったことは、想像をはるかに超える自然破壊・環境破壊、住民無視の大規模土木だということだ。
「ステップ1」(工事)は、準備工事と本格工事に分けられる。
洪水被害は必至
①高谷川排水整備工事
これは、準備工事とされているが、新滑走路建設工事の実質的開始であり、その開始が23年度と明示された。計画図では、高谷川を菱田地区約3㌔は埋め立てて、大里地区約2㌔は一部造成、調整池へ変更する。これにより高谷川下流域への河川氾濫・洪水被害の拡大は必至だ。C滑走路予定地の芝山町北部の菱田・大里地区は北総台地の分水嶺の一角にあたり、高台では畑地、低地では田圃地帯を形成する。田圃は、谷津田と呼ばれ湧水が自噴する湿地帯。その湧排水の流れに高谷川がある。高台での雨の浸水を低地に自然排水する水循環の要として、九十九里平野から海に流れる基幹河川だ。C滑走路建設は、北総地区の水循環・排水体系を撹乱する自然破壊だ。
②付替・補償道路工事
これは、次の空港造成工事とともに本格工事とされる。C滑走路は、国道296号線の幹線道路とともに周辺住民の幾多の生活道路を廃止する。これらの変更・廃止は、住民の活動を分断し、生活を破壊するものだ。
NAAは、菱田地区を地下横断する「滑走路横断道路」と大里地区の「国道296号付替え道路」、その他道路11㌔を計画している。これ自体、総計1㌔近くの滑走路地下を貫通する大規模かつ長期間の基盤工事を要するものであり、環境破壊を拡大させる。
③空港造成等
空港整備として以下の事項があげられている。
・用地造成工事
切土:約1900万立方㍍、盛土:約1600万立方㍍
・地盤改良工事
約54万平方㍍
・舗装工事
アスファルト合材料:約14万立方㍍
コンクリート量:約3万立方㍍
砕石量:約44万立方㍍
・排水設備
開渠延長17㌔、暗渠延長11㌔
・調整池:4カ所
菱田を埋め立て
C滑走路建設工事は、大地を切り裂き、豊かな北総台地をコンクリートでつぶすものだ。菱田地区の田圃はすべて埋め立てられる。大里地区は地面がえぐられ造成される。環境対策として貴重な動植物の移植・移設、谷津環境の再生などを挙げるが、住処を奪って動物園に移すというような欺まんだ。
機能強化の前提は崩壊している。全日空も日本航空も国際線は羽田に集約する方向だ。田村NAA社長は消耗感露わに「ビジネス利用は元には戻らない可能性はある。ヨーロッパでは鉄道を使うようにといった動きも出てきている」(日経新聞)と語る。危機に立つNAAを追撃し、工事開始を阻止しよう。