北総の空の下で 冬の露地野菜 大地に根張る強さ

投稿日:

週刊『三里塚』02頁(1078号02面06)(2022/01/01)


北総の空の下で
 冬の露地野菜
 大地に根張る強さ


 12月14日寒波到来の朝、霜でコーティングされてシャリシャリ状態のほうれん草を収穫しました。とけると元に戻るのですからすごい生命力です。有機栽培と言ってもハウス物が主流の昨今、冬の露地野菜こそ味わってほしいお勧め品です。
 2021年、華々しい闘争はありませんでしたが〝粘り勝ち〟を実感できる1年でした。6月に請求異議裁判の反動判決が出て以降、現地は農地の強制執行を許さない臨戦態勢に入りました。しかし五輪強行によるコロナ感染爆発で空港会社の凋落は激しく、「機能強化」は強がりのお題目と化して現在に至ります。地球温暖化の元凶である航空需要をセーブする世界的な流れも広がっています。
 12月6日、コロナで中断していた耕作権裁判が1年ぶりに開廷しました。裁判官が替わるたびに更新のための意見陳述が繰り返されて15年。市東孝雄さんを事実無根の「不法耕作者」呼ばわりして初戦で叩きつぶそうとしたもくろみは裏目に出て、空港会社の足かせになっています。
 会場貸出しを拒否した芝山町に審査請求を突き付けた闘争でも、12月6日「使用拒否処分を取り消すべき」との意見書が出ました。
 国家相手に一歩も引かず、半世紀を超えて闘い続ける反対同盟を甘く見るな! 大地に根を張った粘り強さこそ同盟の真骨頂です。寒さに負けないために甘みを蓄えながらゆっくりと育つ冬野菜は、私たちの生き方のお手本でもあります。 
北里一枝
このエントリーをはてなブックマークに追加