北総の空の下で 流行語候補 格差社会を象徴

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週刊『三里塚』02頁(1076号02面04)(2021/11/22)


北総の空の下で
 流行語候補
 格差社会を象徴


 今年も残すところ一か月余り、さつま芋と里芋の保存作業がほぼ終了し、正月野菜セットの注文を取り始める時期ですが、今年は中止が決まりました。産直始まって以来です。きっかけは傷みやネズミの食害が多く、想定を超えてさつま芋が採れなかったこと。ゴボウ、白菜、一本ネギも少ないため、年明けからの定期野菜の品目確保を優先するためのやむを得ない決断です。
 今年はカビ菌が原因の基腐(もとぐされ)病が全国に広がって、さつま芋が品不足で高騰していると報道されました。千葉県ではまだ確認されていないそうですが薬を使わない産直で病害は避けられません。とは言え、高温多雨で里芋がよく育ち人参の発芽がよかったことなど、悪い事ばかりではないのが多品目を輪作する産直の強みです。生産性最優先の大規模単作農業が病害を一挙に広め、作物の絶滅・土地の荒廃を招くことは多くの事例が示しています。温暖化による環境破壊も待ったなしの課題です。
 今年の流行語候補で傑作だと思うのは五輪バッハ会長に進呈した「ぼったくり男爵」。格差社会・自己責任論を象徴するのが「親ガチャ」「ヤングケアラー」。福祉切り捨ての政策が直に子どもたちに跳ね返る現実をあぶり出しました。20日深夜、コロナ解雇後帰国もできず転職の罠にはまるベトナムの技能実習生たちを追ったドキュメントを見ました。
 労働者の使い捨て、外国人差別やり放題の新自由主義を終わらせよう。
北里一枝

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