団結街道
週刊『三里塚』02頁(1076号01面06)(2021/11/22)
団結街道
ぼそぼそして食べづらい「カロリーメイト」が好きな小学生だった。早く効率的に食事を済ませるのがスマートだと格好つけていたのだ▼大学時代に流行った「10秒チャージ・2時間キープ」の「ウイダーインゼリー」は理想的な食べ物に思えた。少し後に「カレーは飲み物。」なんて店もオープン。新自由主義の展開は食事時間の短縮のために食べ物を飲み物へと変化させた歴史と言えるのではないか▼ミヒャエル・エンデはファンタジー児童文学『モモ』の中で、時間泥棒との闘いを描いた。「時間とはすなわち生活=命なのです。それは人間の心の中にあるものなのです。人間が時間を節約すればするほど、生活=命はやせほそって、なくなってしまうのです」▼ただし、時間泥棒だけの問題ではないだろう。砂糖と油まみれのファストフードをゆっくりと味わっても生活=命は豊かにならない。ゆっくり味わうに足る食べ物も必要だ▼栄養豊富でゆっくりと味わうとわかる深い味わい=「滋味」を感じられるのが三里塚の産直野菜だ。これから旬を迎える葉物野菜はよりそのことを実感できるはずだ▼食事をとる時間もお金もない状況に置かれている若者にこそ食べてほしいと切に願う。仲間と一緒ならきっとできる。産直を取り、料理し、食べる時間をつくることが命=生活を奪う新自由主義を打倒する活力源に必ずなる。「敵よりも一日長く」闘い続けられる体力を奪還しよう。