北総の空の下で 輸入解禁 止まらぬ農業危機
週刊『三里塚』02頁(1074号02面05)(2021/10/25)
北総の空の下で
輸入解禁
止まらぬ農業危機
10月後半から一挙に気温が下がりました。前半30度近い高温が続いただけに寒さが身に沁みます。私が三里塚に来た70年代には10月中に一度は大霜があって、一晩でさつま芋の葉が真っ黒に変色したことを思えば、温暖化の進行を実感します。萩原富夫さんは思い切って天候的に難しい秋じゃがの作付けを増やしたので、芋が育つまで霜が降りないでほしいですが、葉物には高温過ぎて虫の勢いが止まりません。
東京新聞によれば農家の頭越しにスモモの輸入が解禁され、ポテチ加工用のみだった米国産じゃが芋を全面解禁するために防カビ剤が添加物として認められたそうです。北海道はじゃが芋の大産地ながら今年は高温と干ばつで不作でした。南北に長い日本列島で一年中切らさず生産されてきたじゃが芋まで標的にされているなんて!
農民会議の小川浩さんは10・3集会で「米価の下落で農家の廃業が止まらない。農民は市東さんと共に世の中を変えなければ生きていけない」と訴えました。「輸入で米や野菜が安くなれば生活費が助かる」と思わされているうちに、食料自給率は37%まで落ち込みました。輸入がストップすれば3カ月で備蓄米が無くなる現実を知っていますか?
衆議院選報道に目を通しながら、集会で川口真由美さんが歌った「一般庶民は自助、お金持ちは公助」のフレーズが頭の中で鳴り響きます。自民党農政で分断されてきた農民と労働者は、11・7を共に闘おう。
北里一枝