第3誘導路裁判 機能強化白紙撤回せよ 国とNAAを追及

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週刊『三里塚』02頁(1074号01面02)(2021/10/25)


第3誘導路裁判
 機能強化白紙撤回せよ
 国とNAAを追及

(写真 内野俊夫裁判長)


 10月22日、千葉地裁民事第3部(内野俊夫裁判長)で、第3誘導路裁判が開かれた。
 この裁判は、反対同盟が国とNAAに対し、B滑走路の2500㍍への延長(2006年)、第3誘導路建設(2010年)という、二つの変更許可処分の違憲・違法性を追及し、B滑走路の使用禁止、飛行の差し止めを求めているもの。さらに今成田は当初の「基本計画」を完全に無視して、空港機能強化・第3滑走路建設(敷地の2倍化!)へと進んでいる。
 開廷早々、弁護団は怒りに燃えて準備書面を陳述した。
 NAAの空港建設の手法は、①地元へのあいまいな計画の提示、②野放図な拡張工事の強行と既成事実化、③さらにそれを前提とした拡張計画の提示、これらを繰り返すことであった。当初2500㍍として計画されていたB滑走路は、南側に位置する東峰地区に阻まれて暫定滑走路として2180㍍で供用開始され、その後北に延ばされて2500㍍化した。これは、東峰の住民に殺人的騒音を加え続け、追い出した後に南側にも延伸し、併せて3600㍍に及ぶ巨大滑走路にしたいという悪らつな意図をはらむものであった。
 成田空港建設において、基本計画は単なる「目安」「概要」ではなく、重要な骨子であり、逸脱を許さない強制力を持つ。それがまったく無視され、既成事実化の上に新たな建設計画を積み重ねる。こんなやり方で迷惑施設を押し付けるとは、住民を愚弄し人権侵害を際限なく拡大することだ。
 被告であるNAAと国は、ことの重大性を理解できないふりをし議論をはぐらかそうとしているが、明確な憲法違反であり許されない。
 NAAは、成田空港の21年上期の国際線旅客数が前年同期比89%減の68万6千人で過去最低と発表した。コロナ不況で成田は存続の危機にさらされている。世界の航空会社も深刻な経営危機に陥っている。右肩上がりの航空需要増大を見込んで行われた滑走路延伸や誘導路建設は無用であり、各変更許可処分には重大な誤りがあったことは明白だ。この上、施設を造ることで需要が増えていくかのようなまやかしの主張で機能強化を進めるのは論外である。白紙撤回せよ!
 さらに弁護団は、NAAが空港周辺住民に対してこの間実施した「健康影響調査」の結果について、全面的に開示することを要求した。
 被告席に並ぶ12人ものNAAと国の代理人弁護士は視線を落とし口をつぐんでいるだけだ。
 内野裁判長は次回期日を1月28日、次々回を4月22日として閉廷した。
 千葉県弁護士会館で報告集会が開かれ、弁護団が発言し、一つひとつの裁判闘争の積み重ねで市東さんの農地を守り抜くことを確認しあった。

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