一斉行動 相川町長に住民の怒り 「第3滑走路必要ない」
週刊『三里塚』02頁(1072号01面03)(2021/09/27)
一斉行動
相川町長に住民の怒り
「第3滑走路必要ない」
9月19日、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援連絡会議の仲間は99回目の空港周辺情宣一斉行動に立ち上がった。
成田市天神峰の市東孝雄さん宅離れに集まった仲間は朝の打ち合わせを行った(写真)。東峰の萩原富夫さんが3日前の口頭意見陳述での奮闘をねぎらい、「芝山町は当初認めていた傍聴について当事者である私も含め頑なに拒んできました。会場貸し出し拒否の撤回まで粘り強く闘おう」と呼びかけた。続いて、白枡の伊藤信晴さんが当日の様子を報告。追加証拠を提出し町を追い詰め撤回させる決意を語った。
用意された反対同盟ニュース第94号は、10・3全国集会に集まり、コロナ危機と気候変動で窮地に立つ成田空港会社(NAA)の延命=軍事空港化を許さず、空港機能強化粉砕、市東さんの農地を守りぬこうと呼びかけている。2〜3面見開きで、口頭意見陳述で芝山町を徹底追及した報告。4面では、半世紀前と変わらぬ国策の押し付けに怒る成田市の農家の声が掲載されている。
参加者は同盟ニュースと10・3カラービラを手に、前日の雨も上がり爽やかな秋空が広がる担当地域へと飛び出した。
芝山町では、石井新二ら3人が立候補を表明している11月21日投開票の芝山町長選に向けた動きが始まっていた。(相川は引退を表明。機能強化反対の候補はいない)
空港一辺倒の町政に批判的な声が多く聞かれた。「新二はNAAからもっと金を出させると言っているがそんな金はないだろう」「空港周辺のホテルからの洗濯物が主だったクリーニング工場はコロナ下で注文が激減している」「コロナが収まっても元には戻らない。第3滑走路だって必要ない」
また、会場貸し出し拒否問題について、「83年の3・8分裂の前は同じ反対同盟で空港に反対していたんだから、少しは反対同盟の気持ちがわかるはずなのに、何で会場の貸し出しを拒否するのか」と集会・言論を封殺する相川の転向ぶりにあきれる声。また、芝山町が「証拠」として出してきた84年第3回定例議会を傍聴していた町民は、「あの時、新二はドアを蹴破って議場に入ってきた。相川は議長のマイクを取り上げてコードを切ったんだ。相川本人に聞けばわかることなのに」と町の対応について疑問を投げかけた。
移転地域の住民からは、「計画もすぐには進まない」「中途半端な状態が一番大変。移転を考えているが、畑がなくなるのは何もなくなるようで嫌だ」「部落に子どもは2人だけ。移転したら一人もいなくなってしまう。まわりは高齢者ばかり」「若い町民は減る一方。芝山に住みたいと思う人なんているのだろうか」「同盟ニュースは一文字も漏らさず、よーく読んでるよ。ずっとずっとここに居たいけど移転のことは息子にまかせるしかない」など苦しい胸の内や町の将来を案じる声ばかりだった。
成田では萩原進事務局次長の同級生だったという農家は10・3集会の会場を見て、「昔、市営グラウンド(現成田市栗山公園)の集会に行ったよ。機動隊が暴れて大変だったね」と話が盛り上がった。また、「市東さんも大変だろうけど、がんばってほしい」と激励の声が多数寄せられた。
夕方、再び離れに集まった仲間は一日の集約を行った。住民と呼吸しつつ10・3全国集会の成功に向け全力を尽くすことを誓い合った。