審査請求意見陳述 会場貸し出し拒否撤回せよ 芝山町の不当処分を追及
審査請求意見陳述
会場貸し出し拒否撤回せよ
芝山町の不当処分を追及
9月16日、相川勝重芝山町長による芝山文化センターの会場貸し出し拒否の撤回を求める行政不服審査請求の口頭意見陳述が芝山町役場南庁舎の研修室で行われた。
当初芝山町は傍聴を認めていたが、直前になって非公開にすると通告してきた。そして、前日になってその理由を明らかにした。「不特定多数の傍聴希望者が参集することが予想され、充実かつ効果的な審理の妨げになるおそれや、会場となる庁舎の秩序維持が困難となるおそれがある」
何の根拠もない言いがかりである。反対同盟の責任で人数を絞ることはできるし、不利益を被った当事者である反対同盟の萩原富夫さんを傍聴させない理由にはまったくならない。
萩原さんは3月10日に反対同盟の代表者として申入書を芝山町に提出している。しかも、町は回答で「今後は審査請求の手続きで進める」と書いているのだ。
だが、審理員は萩原さん含め一人の傍聴も認めなかった。
請求人である伊藤信晴さんと利害関係人の太郎良陽一さんの2人が会場に入り、密室の中ではあったが芝山町の不当な処分を徹底追及した。質疑応答も含め2時間近くにわたるやりとりでわかったことは、審理員はろくに町の弁明書もそれに対する反論書とその証拠も読んでいなかったということだ。
町は反対同盟に会場を貸し出さない理由として「施設の破損」が発生しかねないとしている。その証拠として、2期工事促進決議を上げようとした1984年芝山町3月定例議会の議場乱入事件を挙げている。
だが、この事件は前年の83年3・8分裂で反対同盟から脱落した熱田派が引き起こしたものだ。反対同盟は芝山町議会議員だった鈴木幸司さんを除き誰一人議場には入っていない。
町はこの事実を意図的に隠して、「審査請求者が所属する団体の団体員が起こした事件だから施設の破損のおそれがある」とのウソで押し切ろうとしてきた。
伊藤さん、太郎良さんに「まったくの別組織だ」と何度突きつけられても、町は「同じ反対同盟」と言い続けた。
たまらず審理員から「団体は別との具体的な証拠はあるのか」との問いかけがあった。
請求人である伊藤さんはすでに新聞資料を提出済みだ。審理員がまったく読んでいなかった『救援』(84年4月号)の記事には、一方は北原鉱治事務局長、他方は熱田一代表の連絡先が異なる2つの反対同盟が開催した全国集会の報告記事が並列して掲載されている。熱田派の方の記事では石井新二らが芝山町議会闘争で逮捕されたこと、2月の芝山町議選で相川勝重、石毛博道両候補が当選したことが勝利として報じられているのみならず、相川が新二の獄中からのアピールを読み上げたと書かれている。
相川、石井、石毛らのやった行為を理由に会場を貸さないなどという悪質で卑劣なやり口は断じて認められない。
陳述を終えた伊藤さんと太郎良さんは、待機していた仲間とマスコミ5社を前に報告。撤回まで闘う決意を述べた。