オスプレイは空飛ぶ欠陥機 千葉で学習講演会開く

週刊『三里塚』02頁(1071号02面02)(2021/09/13)


オスプレイは空飛ぶ欠陥機
 千葉で学習講演会開く


 9月5日、動労千葉会館において「改憲・戦争阻止!大行進千葉」主催の「オスプレイはいらない 9・5学習講演会」が開かれた。「日米軍事一体化とオスプレイ その問題点 私たちの闘い」と題して、吉沢弘志氏(市民ネットワーク千葉県政策調査室長)が1時間30分講演し、その後質疑応答を行った。
 吉沢氏は、MV22オスプレイ(木更津基地配備)の県外訓練の報告を皮切りに、木更津基地配備の軍事的意義、千葉県でのオスプレイ反対闘争の重要性について述べた。講演は、詳細であるとともに要点が整理されていて、オスプレイ闘争の理解が深まった。
 吉沢氏は、オスプレイを「空飛ぶ欠陥機・スクラップ」と喝破し、その危険性と機能上の稚拙さを暴いた。そもそもオスプレイの「ティルト・ロータリー機」(ヘリコプターと固定翼機を兼ね備えた)は、80年代から開発されたものの技術的問題から予算削減により大幅に配備が遅れ、現在でも配備・運用国も極めて限られたものだ。米陸軍は採用せず、イスラエルはキャンセル、インドネシアもペンディング。米海兵隊も採用した185機からの削減を決定、米海軍の44機も予定に過ぎない。
 オスプレイの事故率は、海兵隊の全航空機の約40倍、通常の軍用機に比べて習熟度による事故の減少傾向が生ぜず、小刻みに上昇を繰り返している。吉沢氏は、「何か根本的な欠陥があると考えるのが常識」と強調する。彼が指摘するのは、設計思想=構造上の問題としてローター(プロペラ部)の小ささとタワミのなさ、したがって揚力が少ない分だけエンジンが負荷となっていることだ。オスプレイの特有の垂直降下は、積載重量を最大限軽くした見世物としてのアトラクションにすぎない、とのことだ。実際には、エンジン角度を段階的に変えながら着陸する変則着陸となる。積載重量が多くなれば、それだけ制御が難しくなり、熟達が必要となる。着陸時の自然環境に大きく影響され、事故の確率が当然にも高くなるのだ。
 吉沢氏は、オスプレイの木更津配備の狙いを次のように述べる。木更津基地の配備は、暫定配備と言われているが、実は最初から日米で候補に挙げられていた。米軍の要求は、自軍オスプレイの整備機能の強化であった。つまり、米軍のオスプレイとそれによって運搬されるF35(空母搭載)のエンジンを装備点検する最重要拠点が必要だったのだ。これは、現在の戦争の主要スタイルである「空母打撃軍」(F35C運用)、「遠征打撃団」(F35B運用)を支えるものだ。それが、木更津基地ということだ。吉沢氏は、「木更津オスプレイ基地が、日米軍事一体化の象徴だ。これが一番重要な問題だ」と日米軍事同盟を粉砕する地域の闘いの重要性を訴えた。
 質疑応答では、対中国の軍備増強から騒音問題まで論議された。吉沢氏は、「オスプレイが集中しているのは、首都圏。オスプレイはいらないの声をあげよう」と結んだ。
 最後に主催者が「継続的に勉強会を開こう」と述べ、「棘2」上映会と「11・7全国労働者集会」への参加を呼びかけた。
(大戸剛)
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