「五輪中止、菅を倒せ」 第97回一斉行動に立つ
「五輪中止、菅を倒せ」
第97回一斉行動に立つ
7月18日、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援連絡会議の仲間は97回目の空港周辺情宣一斉行動に立ち上がった。
この日は盛況だった第4回天神峰樫の木まつりの息吹を周辺住民に届け、新型コロナ感染の急拡大の中で強行されようとしている東京五輪の中止を呼びかける行動となった。
成田市天神峰の市東孝雄さん宅離れで朝の打ち合わせを行った。農地取り上げ強制執行、空港機能強化をあくまで推し進める成田空港会社(NAA)の田村明比古社長に周辺住民の怒りの声を組織しようと意思一致。
用意された反対同盟ニュース第92号には樫の木まつりに寄せられた地域住民からのメッセージを掲載。さらに3面で、五輪関係者との動線分離をうたう「バブル方式」はすでに崩壊しており、ザルと化している空港検疫をすり抜けた感染者の拡大で病床ひっ迫は避けられず、「殺人的な東京五輪強行は中止すべき」と呼びかけている。
参加者は同盟ニュースを手に担当地域へと繰り出した。
夏真っ盛りの強い日差しの中で、各農家は暑さ対策をとりながら農作業に励んでいた。
五輪関係者の約3分の2が成田を使う。空港関連労働者の中心に東京五輪強行への怒りがうずまき、「菅を倒せ」の声が高まっていた。
「こんなときにオリンピックやってコロナが増えたらどうする気だ。空港の検疫だってザルなのに」「コロナで今の社会がどんなものなのか誰の目にもはっきりしてきた」「学生や若い人たちにこんな社会にしてしまって申し訳ない」「菅はこれまでの首相の中でも最低だ。オリンピックなんてなんでやるのか」「コロナの拡大の中でオリンピック強行は許せない。菅政権を変えなくてはダメだ」
さらに、「最高裁決定が下りたが畑はどうなるのか」と市東さんへの農地強奪攻撃への関心は高く、「畑をとったら市東さんの生活が壊される。納得なしにとってはダメ」「市東さんの農地問題が他人事でなくなったら勝てる」と激励の声が多数寄せられた。
空港関連で働く労働者からは「空港の仕事がガタ減りで見通し立たないから会社の雰囲気がぎすぎすしている。高齢となりうとまれているが、自分から辞めると言ったら負けだと思い、しぶとく続けられるだけ続けるつもり」
移転対象地の住民は、毎日のように進捗状況を尋ねにくるNAAに怒り心頭だ。「移転先も希望が多いと抽選になり、結局自分で探せということ」「希望が通っても家を建てるのには大金がいる。ビニールハウスにでも住むか」
夕方、再び離れに集まった仲間は一日の集約を行った。国・NAAが農地を奪うもっともらしい理由を示せなくなっている中で、自身の農地を守る正義性への確信を深めた市東さんが参加者の奮闘をねぎらった。