住民の声を聞け! 機能強化反対3・28芝山デモへのメッセージ

週刊『三里塚』02頁(1062号02面03)(2021/04/26)


住民の声を聞け!
 機能強化反対3・28芝山デモへのメッセージ


騒音下に暮らす芝山町民と茨城県稲敷市民から3・28現地闘争に寄せられたメッセージを紹介します。

爆音轟く町を未来に残せぬ
 芝山町民A

 空港の機能強化策が発表され、早くも4年が経ちました。私は、芝山町内において開催された住民説明会に6回参加し、また、横芝光町の録音も聞きましたが、その総ての会場において出た意見は、必死に生活環境を守ろうとする住民の怒りや不満の声だけでした。どこに賛成や推進する声が上がったのでしょうか。
 説明会は、住民の意見を聞き、機能強化の理解を得るという大義名分があったはずです。ところがNAA・国・県・周辺市町の各首長たちの四者は、機能強化を進めるための説明を消化することが目的で、住民の意見などどうでもよかったのです。そして予定通りに四者の「合意」を大々的に発表し、機能強化策が強引に推し進められています。
 このような手法は、50年前と何ら変わりません。住民をだまし、権力をむき出しにして住民をねじふせています。当時と違う点をあえて挙げるならば、空港周辺市町の首長が権力者と一体となっていることです。
 芝山町の相川町長は、元反対同盟だったようですが、今では機能強化推進の先頭に立ち、町民から静穏・人権・安眠を奪い、町民の命と引き換えようとしています。また、住民説明会開催の5年も前からNAA社長と策を練り上げ、空港周辺の商工会を中心とした「第3滑走路実現を目指す有志の会」を立ち上げ、地元から機能強化が必要であるとの声を作り出したのです。それは機能強化に反対する住民に対抗するための団体であり、その組織を操って機能強化を推し進めているのが相川なのです。反対する住民の声を一切聞き入れようとはしない、これが四者の本質です。
 空港機能強化策は、郷土に発着回数50万回、飛行時間20時間という想像もつかない居住環境を作り出そうとしています。四者は空港周辺が経済発展し、九十九里浜がリゾート地に、空には空を飛ぶ車が行き交っているとペテン的なバラ色の未来像を語っています。
 しかし、現在の騒音下はどうでしょう。経済発展どころか急速に過疎化が進み、歴史ある民家が廃墟となっています。当然です、爆音が轟く環境下に人は集まってきません。
 皆さん! そんな郷土を次世代、未来に残せますか。私たちは、壊されていく郷土を黙って見ているわけにはいきません。現時点において環境破壊を止められるのは今を生きる私たちしかいません。未来は今日の続きです。絶対に引き下がるわけにはいきません。こんな横暴な成田空港建設や空港の機能強化策がまかり通るならば、この国の未来はありません。共にがんばりましょう。 

飛行機が町の真上で急旋回
 稲敷市民B

 稲敷市の騒音下住民は空港機能強化に誰も納得していません。私は空港会社に30回以上出向いていますが、機能強化以前は対象外といって取り合ってくれませんでした。
 今回、稲敷市の一部が騒音コンターの第一種区域となり、ようやく機能強化の説明を受けたのです。しかし、この説明会にしても再三再四、市に要請して実現するという、行政の怠慢もはなはだしいものです。
 ようやく開かれた説明会では、「NAAの株はすべて国が持っている。国が決定した案件だから住民は口をはさむな」と暗に述べるなど、おうへいな態度に終始していました。さらに質問を制限し、出された質問に対してもまともに答えませんでした。
 その後もNAAが公表しているデータに疑問があり問い合わせましたが回答がありません。
 現在、多くの飛行機が私たちの町の上空500㍍から600㍍という低い高度で急旋回しています。明らかに住居、学校、グラウンドなどの公共施設の上を飛んでいるのが見えます。落下物があったら人の命を奪うことになりかねません。発着回数が50万回になればとんでもないことになります。ところが、NAAも市の職員も騒音・落下物の問題を何ら重大問題だとは考えていないようです。
 騒音コンターでは隣接地域に指定されていますが、第一種区域以上の騒音なのです。こうした現実を行政や空港会社に訴え続けたいと思います。

このエントリーをはてなブックマークに追加