汚染水海洋放出やめろ 福島県庁前で徹底弾劾行動 国・東電の居直り許さない 全国農民会議福島支部 吾妻和位

週刊『三里塚』02頁(1062号02面01)(2021/04/26)


汚染水海洋放出やめろ
 福島県庁前で徹底弾劾行動
 国・東電の居直り許さない
 全国農民会議福島支部 吾妻和位

(写真 福島県庁前に駆けつけた仲間とともに抗議行動【13日】)

 4月13日、菅政権は福島原発の汚染水を海洋放出すると多くの反対の声を無視して決定した。
 以前から福島県民だけでなく漁民・漁協をはじめ全国の人々、さらに海外からも反対と抗議の声が上がっていたことも無視したこの暴挙は実に許しがたい。
 私たちは全国農民会議ののぼり旗をもって3・11反原発福島行動の仲間たちとともに緊急抗議行動に立った。

梶山を迎え撃つ

 昼頃、経済産業大臣の梶山弘志が閣議の内容をもって福島に来るという。迎え撃つ闘いは希望の牧場の吉沢正巳さんの宣伝カーから始まった。
 「汚染水を流すな」という弾劾の声が響き渡る。警察権力もその怒りの前にパトカー1台のみの規制しかできない中、続々と人々が結集してきた。手に手にプラカードを持ち横断幕を持っている。中には「命どぅ宝」というものもあった。抗議集会の中では南相馬市や福島市はじめ各地からの発言と抗議のシュプレヒコールが県庁前を揺るがした。
 「汚染水は実害」「放出されても止まるまで反対を続ける、みんなで闘おう」と伊達市民。
 「海はみんなのもの、子どもたちのために反対の行動をする」と訴えに続いて「障害があっても声は大きい、反対を大声で訴えていく」という熱い発言が続く中、なんと梶山は卑劣にも裏口から県庁に入り、知事との会見はわずかに6分間というものだった。
 さらに内堀雅雄県知事の対応は「精査の上意見を言う」などと県民の切なる願いを全く意に介さないものでしかなかった。そのことが会場に伝わるとすぐさま抗議のシュプレヒコールがたたきつけられた。
 その後、梶山大臣は福島の漁業者とも会談をしたのだが、福島県漁連は改めて反対表明を突きつけた。福島の怒りは収まらない。

「風評」ではない

 国も東電も「丁寧な説明」で「理解をいただく」などと言うが、結局はゴリ押しで強行するということでしかない。「風評被害があったら補償する」などというが原発事故ADR(裁判外紛争解決手続き)での補償勧告を拒否し、裁判でも居直っているのが東電であり国だ。それはこの福島の10年間で明らかではないか。
 ましてや汚染水放出の被害は「風評」などでは決してない。トリチウム以外の放射性物質も取り切れていないことはほかならぬ東電が認めていることだ。国内の原発周辺でも健康被害が確認されており、「国内の原発ですでにトリチウム水を放出していて安全」とは盗人猛々しい。それは「あいつがやってるのに俺がやってなにが悪い」という強盗の屁理屈そのものだ。
 3月の三里塚集会で市東孝雄さんがおっしゃったように、三里塚・福島・沖縄は全く同じものとの闘いになっている。そして、そこには権力者の横暴に屈することなく闘い抜いている農民、漁民はじめとした闘う仲間がいる。ミャンマー、香港、米BLMと世界でも同じように命がけで闘っている人々がいる。
 共に連帯し団結を固めて闘い抜こう。
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