芝山町に申入書 機能強化反対集会認めよ 会場申請却下は憲法違反
週刊『三里塚』02頁(1060号01面02)(2021/03/22)
芝山町に申入書
機能強化反対集会認めよ
会場申請却下は憲法違反
(写真 相川町長宛の申入書を提出する伊藤さん【3月10日】)
3月10日、反対同盟は相川勝重芝山町長による憲法違反(表現の自由)、地方自治法違反(住民が公の施設を利用することを拒んではならない)の芝山文化センターの貸し出し拒否問題での申し入れ書を提出した。
同日、行政不服審査法に基づく、処分の取り消しを求める不服申立てを行った。今後、審査庁の職員の中から指名された審理員は、①処分庁に弁明書の提出を求め、②処分庁は弁明書を提出、③弁明書の請求人への送付、④請求人の反論書の受付、⑤口頭意見陳述等の審理手続きを経て、審理員意見書を作成し、審査庁に提出。審査庁は、第三者機関である行政不服審査会に諮問を行い、その答申結果を反映した裁決を行う。相川町長の集会禁圧を許すな!
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申し入れ書
私たちが申請した芝山文化センターの使用承諾申請について、相川勝重芝山町長名での却下通知を2月22日に役場で受け取りました。そこには、却下する理由として以下のように書かれていました。芝山文化センターの設置及び管理に関する条例第5条第2項第3号「文化センターの管理運営上支障がある」の条項に適用すると認められるとし、それに該当する理由を、「成田空港をめぐるこれまでの経緯に鑑み、貴団体(三里塚芝山連合空港反対同盟)が本行事(名称:機能強化反対集会、内容:機能強化についての学習)を行うことにより文化センターの管理運営に不安が生じる」としています。(丸カッコ内は使用申請に記載している文言)
私たちは、上記の理由で芝山町の集会場の貸し出しを却下することは、憲法で定められた「思想・良心の自由(19条)」「集会・結社の自由(21条)」、地方自治法244条(住民が公の施設を利用することを拒んではならない/不当な差別的取扱いをしてはならない)を踏みにじるものであると考えます。地方自治体が行事内容を理由に公の施設の利用を拒否することはあってはならないことです。隣町の成田市においては、私たちの主催で機能強化反対を呼びかける集会を何度も開催しています。なぜ芝山町では機能強化反対の集会を開くことができないのでしょうか。ましてや、昨年来の新型コロナウイルス感染拡大を契機に航空需要は激減し、航空業界の大再編が始まっています。今、機能強化について改めてその必要性の有無を問うことは、地元住民にとって当然の権利であり要求です。
以下の点について申し入れます。
1.「成田空港をめぐるこれまでの経緯」とは一体いかなるものなのか具体的に明らかにされたい。
2.「文化センターの管理運営に不安が生じる」とは一体どのような不安が生じるのか具体的に明らかにされたい。
3.過去に「文化センター管理運営上に不安が生じ」たために「管理運営上の支障がある」と認められた事例があったのか。具体的に明らかにされたい。
4.どのような「管理運営上の支障」を想定しているのか。具体的に明らかにされたい。
審査請求書
「2021年2月18日付の相川勝重芝山町長による芝山文化センターの使用承諾申請却下の処分を取り消す」との決裁を求めます。2021年2月22日に「芝山文化センター使用承諾申請却下通知書」を受け取りました。その中で相川町長が示した「文化センターの管理運営に不安が生じるため」という却下理由は、あまりに曖昧かつ漠然としており、まったく理由になっていません。
最高裁は、「公共施設の管理者が施設の利用を拒否できるのは、その集会によって他の基本的人権が侵害され、公共の福祉が損なわれる危険がある場合に限られる」と判示しています。
三里塚芝山連合空港反対同盟が芝山文化センターで空港機能強化反対集会を開くことで、一体誰の基本的人権が侵害され、どのように公共の福祉が損なわれると言うのでしょうか。具体的に答える義務が相川町長にはあります。同日、提出した三里塚芝山連合空港反対同盟の申し入れに速やかに回答することを求めます。
成田市では三里塚芝山空港反対同盟の主催で空港機能強化反対を訴える集会を何度も開催しています。なぜ芝山町では開くことができないのでしょうか。表現の自由(憲法21条、集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。検閲は、これをしてはならない)に対する重大な侵害であり、到底認められません。
しかも、昨年来の新型コロナウイルス感染拡大を契機に航空需要は蒸発し、航空業界の大再編が始まっています。フランスでは、シャルル・ドゴール空港の拡張計画は「時代にそぐわない」と政府が中止を発表しました。大量の化石燃料を消費し、二酸化炭素を排出する航空機を頻繁に飛ばすことは、気候変動を引き起こす大きな原因の一つだからです。スウェーデンの環境活動家・グレタさんら若い世代が未来のために気候変動を止めようと世界中で立ち上がっているのが相川町長の目にも入っているはずです。今や成田空港の機能強化の見直しは時代の声となっています。
こうした状況の中で、第3滑走路建設、飛行時間の延長など機能強化で最も影響を受ける芝山住民がその必要性の有無を改めて問うことは当然の権利です。機能強化への賛否にかかわらず町民から出る当たり前の要求を踏みにじるのではなく、出来る限り応えることが町長の責務なのではないでしょうか。
芝山文化センターの使用承諾申請却下の処分を取り消す旨の決裁を求めます。