団結街道
週刊『三里塚』02頁(1058号01面05)(2021/02/22)
団結街道
先日頂いたアラン・デュカスの高級チョコレートはとても苦かった▼私の故郷はバレンタインチョコ発祥の地であるからか、よくチョコをもらった。高校時代には、女性だけがチョコを配るのはおかしいと、友人とお金を出し合いクラスの女子全員に配ったこともある▼私の好物で、最初に洋酒の味を教えてくれたのがウイスキーボンボンだ。日本で最初に作ったのはロマノフ朝の宮廷菓子料理人だったゴンチャロフ。革命ロシアからの亡命者だった▼革命に反対し、神戸に亡命してきた白系ロシア人の中に洋菓子店創業者となるモロゾフがいた。1932年、彼が英字新聞に「あなたのバレンタインにチョコを贈ろう」という広告を出したのが日本におけるバレンタインチョコの発祥だ▼その後、モロゾフと日本人出資者との間で財務管理と経営方針をめぐって争いが起こり裁判に発展した。そこで言われたのが「あんた方、こんな帝国の日本に住めて有難いじゃないですか。ロシアにいたら殺されてる。いいですか、白系ロシア人なんだから、おとなしくしていたほうがいい」と▼アメリカ人弁護士に「外国人というだけでハンディキャップを負うとは……この国に法律はありません」と言わせた司法の本質は戦後もまったく変わっていない。▼モロゾフの子どもは戦後、「コスモポリタン」(世界市民)という洋菓子店を作った。だが、白系らしく、天皇にチョコを「献上」。ナンセンス!