北総の空の下で 高裁不当判決 空港は泥沼の危機

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週刊『三里塚』02頁(1054号02面06)(2020/12/28)


北総の空の下で
 高裁不当判決
 空港は泥沼の危機


 12月半ば、寒波が一挙に日本列島を覆いました。凍てつく17日、請求異議裁判控訴審判決に多くの仲間が駆けつけてくれました。予想通りとはいえ強制執行を許可する不当判決が出て、即上告しました。判決のたびに、どれほど理を尽くしても裁判官に届かない怒りや虚しさを抱えてきましたが、泥沼にはまり込んであがいているのはむしろ空港会社の側だと思います。市東さんの農地を取ろうと訴訟を起こしてから実に14年、いまだに一審で足踏み中の裁判もあるのですから。
 コロナウイルスが世界を席巻したこの1年は、これまで既定の事実とされてきたことが一瞬でくつがえる様を誰もが目の当たりにしました。成田空港が4カ月止まり、ANA国際便が撤退するなど誰が予測できたでしょうか?! 空港機能強化も市東さんの農地取り上げも、ましてや第3滑走路の新設など必要ないことが明らかになりました。回復まで少なくとも5年と言われていますが、そもそも環境汚染の元凶である空港を回復させる必要があるのでしょうか?
 原発も地球温暖化も、経済発展とセットの技術革新では解決できないことが歴然となりました。今儲けるために、未来の子どもたちにツケを回すような愚行を止めましょう。
 コロナ禍は労働者民衆に苦難を強いて進行中ですが、大企業のもろさ、資本主義の終わりも見せつけています。資本主義となじまないゆえに軽んじられてきた農業を復権させましょう。
北里一枝
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