全学連三里塚 現地行動隊日誌 畑の土は生きている
全学連三里塚 現地行動隊日誌
畑の土は生きている
援農の楽しさ実感
広島大学 太田蒼真
12月中旬に援農・現地調査に行きました。玉ねぎの移植と出荷作業、モロヘイヤの引っこ抜きをしました。一番の感想は、土がとても良かったです。ふかふかしていて滑らかな三里塚の土を触っていると、肌も喜びます。同時に、長年かけてここまで耕してきた土地を、不当にも奪おうとする空港と国にたいする怒りが湧きます。とくに判決を目前に控えたある日のお茶の時間、市東さんが呟いた「17日までの命か」という言葉は重く響きました。
援農は大変でしたが、同時にとても楽しくもありました。この楽しさは何なのか、それは実際に生活を紡いでいるという目的意識と、成果が見えるということにあるのだと思います。普段の最低賃金のバイトは、自分がやっていることが誰のためになっているのか見えません。生活資料を購入するための最低限の金を得るための賃労働です。援農では、もちろんですが、疎外された賃労働をしないのです。だからマルクスは「労働が第一の欲求となる」と言えたのか、と納得できました。
敵よりも一日長く
広島大学 森田寛隆
12月半ばに援農に参加させてもらいました。約5年ぶりの援農でした。コロナ禍で身体を動かす機会が減っていたので、こうして身体を動かして作業できるのはとても楽しかったです。
私はちょうど今年初めての寒波がやってきた時期に入ることになりました。そのため朝、玉ねぎの植え替え作業をしていましたが、霜が降りていて土の表面はとても固くなっていました。それから必死に作業をしているうちに時間が経ち、昼頃には土はすっかり柔らかくなっていました。時間とともに様子が変わる三里塚の土に触れて、市東さんが言っていた「土は生きている」ということが少し分かったように思います。
援農に来て、見事だなぁと思ったのはコンテナさばきです。もちろん主には野菜を運ぶために使われるわけですが、椅子にも机にもなり、組み合わせて産直野菜を詰め込んでいくための作業場にもなっていきます。コンテナを使った手慣れた共同作業で、あっという間に出荷作業の作業台が作り上げられ、規定量ずつ発送されていく様子を見ていると、無農薬で野菜を育てるだけでなく、送り届けるまでが農業なのだということ、三里塚野菜を食べることで闘いを支えている人がこれだけいるのだということを感じました。
成田空港は今、2割の飛行機しか飛んでいないとニュースで聞きましたが、実際に農作業をやっていて実感しました。以前はひっきりなしに飛んでいた印象だったのに、今回はほとんど飛んでいませんでした。敵よりも一日長く。三里塚闘争の不屈の闘いが、コロナ禍のもとで敵を追い詰めていることが目に見えてわかりました。
こうした状況でも、犠牲になるのは労働者。JALやANAの労働者が、仕事が激減し、大幅賃下げを受けて、どのような思いでいるだろうかと農作業中も思いをめぐらせました。先日も日本航空函館空港所の労働者の作業が激減し、地域の援農に派遣された話がニュースになっていました。そうした労働者が三里塚闘争の話を聞いたらどう思っただろうかと思います。航空労働者がコロナ禍を理由にした激しい賃下げ攻撃に対して怒りを感じた時に、その怒りと三里塚闘争とが結びつけば、大きな展望になると思いました。
援農とあわせて参加した、17日の請求異議控訴審の判決は強制執行を改めて認める不当なもの。空港需要が激減しているにもかかわらず、市東さんの農地を奪い取る、このふざけ切った判決を絶対許せません。ますます決戦化する三里塚闘争へ、ぜひみんなで駆けつけましょう。