星野全国集会開く 獄死許さず国賠闘争勝利へ

週刊『三里塚』02頁(1053号02面02)(2020/12/14)


星野全国集会開く
 獄死許さず国賠闘争勝利へ

(写真 国賠勝利へ! 星野全国集会【11月23日 東京】)

 「星野文昭さん獄死を許さない11・23全国集会」が、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議の主催で開かれた。東京・墨田区の曳舟文化センターに全国から340人が集い、獄死の責任を問う国家賠償請求裁判を軸に新たな星野闘争を切り開くことを誓った。
 集会に先立ち、11月14日に営まれた群馬の安養院での納骨式までのドキュメンタリー映像が上映された。星野さんの墓石には星野さんの言葉、「すべての人間が人間らしく生きられなければ自分も人間らしく生きられない。すべての人間が人間らしく生きられるように自分の生を貫きたい」が刻まれていて、感銘を受けた。また、強制執行の対象とされている三里塚・天神峰の市東さんの畑で行われた分骨の様子も映し出され、死してなお闘争のただ中に星野さんがいると感じさせた。
 星野再審弁護団の報告では、国家賠償請求裁判闘争の意義が訴えられ、12月3日の第3回口頭弁論への結集が呼びかけられた。全国再審連絡会議の共同代表・狩野満男さんは、星野救援闘争を総括し、17年以降の更生保護委員会闘争について「星野闘争の土台を一回りも二回りも大きくしたことは間違いない。この偉大な蓄積を一人ひとりが引き継ごう」と基調報告を行った。
 弁護団や狩野さんの報告では、昨年5月の東日本成人矯正医療センターにおける処遇が詳しく話された。手術後、主治医は連れあいの暁子さんといとこの誉夫さんに、「腫瘍(しゅよう)はすべて切除できました。本人も意識を回復しました」と言ったが、実際には星野さんは血圧が一度も回復せず、尿の量が極端に減少(乏尿)して、危険なショック状態に陥っていた。にもかかわらず、星野さんはICU(集中治療室)ではなく、ただの「回復室」に入れられ、翌朝5時まで完全に放置されたのだ。まさに殺人そのものだ。改めて怒りを覚えた。
 福山竜一さんの熱唱後、星野国賠に勝利する全国運動呼びかけ人の金元重さん、土屋翼さん(国賠ネットワーク)、船木明貴さん(改憲・戦争阻止!大行進神奈川)の各氏が、星野闘争への決意を語った。大坂正明さん救援会は、拘留中の東京拘置所で大坂さんの鼻にポリープができて鼻呼吸ができず手術を求めていることを訴えた。
 最後に家族の星野暁子さんと星野誉夫さんが登壇。暁子さんは「文昭に代わって声を上げることが『星野文昭になる』こと」と語り、自分が星野文昭となって、国賠をやり、絵画展をやり、虐殺弾劾のデモをやりきることの決意を力強く述べ、12・3国賠裁判と法務省デモへの参加を訴えた。
(大戸剛)
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