全学連三里塚 現地行動隊日誌 市東農地決戦の先頭に立つ 闘いで人は変わる 11・1集会で感動 全学連三里塚現地行動隊長 今井治郎
週刊『三里塚』02頁(1051号02面04)(2020/11/09)
全学連三里塚 現地行動隊日誌
市東農地決戦の先頭に立つ
闘いで人は変わる
11・1集会で感動
全学連三里塚現地行動隊長 今井治郎
(写真 軽快なリズムに乗せたコールと共に行進するサウンドデモに圧倒的注目が集まった【11月1日】)
朝晩はだいぶ冷えるようになりましたが、日中はまだ日射しが暖かい三里塚現地です。畑では葉物が一気に育って、産直野菜のケースを賑わしています。比較的気温の高いこの時期の葉物は茎がひょろりと長くて味は薄め、寒くなると短いながら甘みが増してきます。
これからどんどん野菜がおいしくなる季節。三里塚野菜で寒暖差の大きい時期も元気に闘いましょう。
今年も全国労働者総決起集会・改憲阻止!1万人行進に参加しました。
今年の集会・デモで私が最も印象的だったのは、全学連の隊列に新しい顔ぶれがとても多くなったということです。半分はこの1〜2年以内に出会った学生じゃないかという程で、コロナ情勢下でも仲間とつながることを模索してきた全学連の闘いが実を結んでいることが実感できました。
今年の集会では、コロナ情勢と堂々と渡り合ってきた労組の力強い発言が続きました。中でも船橋二和病院労働組合の仲間の発言には、痺(しび)れました。
執行委員長の飯田江美さんが7月10日に行ったストライキに向かう過程とその後の闘いの報告を行ったのですが、「スト後に組合員に、スト前に何に迷っていてどんな議論をしたかを聞いたら、『私、もう変わっちゃったから、思い出せない』と言われた」というエピソードは感動的で、闘いを通して労働者が一気に飛躍していくことを本当によく表していました。
加えて、柳澤裕子書記長がこの組合運動を「普通の労働組合がやること」と表現したことは重要です。二和病院労組や集会の呼びかけ3労組のような労組が「普通」になることが求められていることが、コロナ情勢でより明らかになったと感じました。
デモ後には交流会に参加しました。同席した青年労働者に集会で印象に残った発言は何かと聞くと、「動労水戸の被曝労働やワンマン化との闘いの報告だ」と。さらに彼は、「2011年3・11があるまでは、原子力発電がクリーンなエネルギーだと思っていたし、反原発運動は間違っていると思っていた」と話してくれました。こういう人とも一緒の闘いをやれるようになるのが、運動を続ける醍醐味(だいごみ)ですよね。
「そこにあったのは本当に当たり前の農民としての生活でした。この生活を守っていくことがそのまま闘いなのだ」(本紙812号)これはちょうど10年前、私が初めて現地行動隊として三里塚現地を訪れた時の感想として書いた文章の一節です。この実感は今も変わっていません。そして、コロナ情勢を経て、空港反対で農地を守ることが空港周辺住民の「普通」の感覚として取り戻されてきています。
今回の学生の隊列のデモコールで、「お願いしても変わらない、必要なのは闘いだ」というのがありました。請求異議控訴審の判決日の12月17日にどんな判決が出ようが、私たちの回答は市東さんの農地を守り、成田の空港機能強化を止める闘いです。