北総の空の下で 安全な食卓支え 産直会員拡大
週刊『三里塚』02頁(1050号02面06)(2020/10/26)
北総の空の下で
安全な食卓支え
産直会員拡大
大型台風が接近するたびに昨年の悪夢が蘇ります。それてくれてホッとしましたが、秋雨前線が停滞して10月中半を過ぎてもほとんど日照がありません。
多品目を循環しながら栽培する有機露地栽培の産直農業は、大規模単作農業に比べて気候変動に柔軟に対応してきました。しかし近年、豪雨や猛暑など亜熱帯かと思うような激しい気候変動や災害が急増して、これまでの延長線ではいかない難しさも感じています。
今年は産直の会員拡大に力を入ようと、会の案内を作りました。私たちの産直は、梱包や小分けの手間を最小限にとどめて、より多くの労働者家庭、子育てや年金生活の中でやりくりしながら野菜を取ってくれる皆さんが続けられる値段にこだわってきました。洗ったり袋に入れたり大小のセットを作るなど、利便性を追求するほど扱えるケースは減るので、その分値段を上げなければ成り立たなくなります。たった0・2%しかない有機市場をビジネスチャンスとするのではなく、多くの皆さんの安全な食卓を支えられる産直でありたい、そのための会員拡大です。
闘争支援者や会員の皆さんの協力も得て、今年は多くの新会員を迎えられましたが、7月の長雨と8月の日照りで夏野菜は十分供給できませんでした。春秋の産地交流もコロナ禍で中止。不完全燃焼が続きましたが、11月12月、ようやく実りの季節を迎えます。会員拡大にもうひと頑張りして弾みを付けたいところです。
北里一枝