害虫、日照不足と闘い沖縄から三里塚を思う 全国農民会議沖縄支部 宮城栄信さん

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週刊『三里塚』02頁(1050号02面04)(2020/10/26)


害虫、日照不足と闘い沖縄から三里塚を思う
 全国農民会議沖縄支部 宮城栄信さん


 沖縄はこれからいよいよ台風シーズンを迎えることになります。夏場の台風は例年と比べて少なく、害虫がかなり多く発生しています。街路樹として使われているアカギが軒並みやられています。シークワーサーも樹皮が剥がれ、そのまま立ち枯れていく被害が広がっています。原因(害虫ではない)がわからないそうです。
 資本の利潤追求のために、人間と自然の新陳代謝が破壊されていることが根本的な原因です。地球の温暖化と異常な気候変動もそうです。このような資本主義のもとで、農業がこの先本当に成り立つのか、危機感とともに怒りすら感じます。
 年々の暑さはますますひどくなっています。今年は暑さと日照不足で、私の畑でも多くの作物が不作となっています。エンサイ、茄子、ゴーヤ、ナーベラ(へちま)、ネリ(オクラ)、モーイ(うり)などを作っていますが、とくにゴーヤ、冬瓜、うりずん豆などは、4〜5月の植え付けのときの日照不足でほとんど壊滅的です。南瓜だけはどういうわけか豊作になっています。
 沖縄には〈なんくるみ〜〉という言葉があります。どこからか勝手に種が運ばれたり飛んできたりして、勝手に根付くことを言います。私の畑でも、植えた覚えのないところに南瓜がなっています。そいうものほどたくましく育っています。
 これから今年の秋野菜(冬野菜)の種まきがはじまります。サニーレタス、島らっきょう、ほうれん草、じゃがいも、ニンニクなどです。沖縄の9〜11月は大型台風が到来する時期と重なってきます。畑の傍らにバナナの樹を植えていますが、台風が来ればひとたまりもありません。何とか持ちこたえてほしいと願っています。
 以前に三里塚を訪問したときに萩原富夫さんから里芋をいただき、私の畑で植え付けをして毎年のように収穫しています。今年の収穫は若干少なめですが、「三里塚の里芋」ということで周りに配っています。けっこう喜ばれています。
 コロナ情勢のもとで成田空港そのものが破綻しているなかで第3滑走路建設など不可能です。三里塚反対同盟の市東さんや萩原さんの闘いに思いを馳せながら、沖縄から農地強奪絶対反対、種苗法改悪にたいする取り組みをやっていきます。ともに闘いましょう。
(全国農民会議機関誌「ゆい」第48号より転載)
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