大地の響き 投稿コーナー
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歴史ある闘いに学ぶ
首都圏学生 宮沢 梓
9月某日から2日間、現地調査と援農をするために、初めて三里塚へ行きました。よく晴れて、ぬくもりを残した秋風の吹く、とても気持ちのよい日です。車を降りると、猫が元気よく出迎えてくれました。
一日目の現地調査では、天神峰から開拓組合道路、岩山記念館まで、ひと通り見学しました(写真)。理不尽極まりない「農地法」の悪用や代執行の話を聞いて、怒りの気持ちが湧く一方で、自分が今立っているこの地が、三里塚の民衆が本当に必死な思いで守りぬいてきた「砦」なんだということを、身をもって実感しました。そして、航空需要や旅客機が減少しているにもかかわらず、新滑走路建設が計画されたのは、成田空港に軍事空港としての本質があるからだと知りました。戦争の準備をするために住民の生きる権利が奪われるなんて、とんでもない! 絶対に許せません。学生の私にとって、反戦というテーマを掲げて闘うことは非常に重要です。大学がどんどん商業化され、最終的には国が戦争をするための道具になっていくことに反対する立場としても、「命よりカネ」の国家と真っ向から衝突する三里塚の闘いから学び、連帯しなければならないと思います。
二日目は南台の畑で人参の種まきを手伝いました。一つ一つ自分の手で種を蒔いたり、雑草をとって環境を整えたり、広い畑の中でこんなに細やかな作業が行われているとは知りませんでした。地道で骨が折れますが、誇りの詰まった作業です。きっとこのような積み重ねが野菜の美味しさの秘訣だと思いました。
民衆一人一人が決起して、団結することの積み重ねによってつくりあげられてきた三里塚の闘いのイメージが、これと重なります。文字通り命を懸けた闘いが、今に至るまで引き継がれていて、しかもこんなにも大きなパワーを持って、空港の完成を阻止し続けているのです。本当にすごいことだと思います。絶対に国家権力に屈しない姿勢、粘り強い実力闘争、農民・労働者・学生の団結。どれをとっても示唆に富んでいます。「闘う」って、こういうことなんだなあ!
資本主義との戦いへ
学生 山川信二
自分は三里塚2回目の参加になる学生です。前回は現地に行ったのですが、今回は集会に参加させていただきました。
コロナ禍で空港会社の経営状態が壊滅的になっている今、生き残りをかけた滑走路計画が推し進めようとしているのは周知の通りですが、このような、大産業の都合に個人や小規模事業が飲み込まれ破壊されていく現象は、資本主義においては残念ながら「ありふれた」光景になってしまっています。
しかし、そうした中でもそれをよしとしない人々はいます。自分もその一人ですが、特に、不屈に数十年間戦い続けた三里塚の戦いはそうした思いを貫く運動そのものだと思います。三里塚の戦いは、戦術論的な小手先の意味ではなく、もっと多くの人を動かすもの、すなわち、資本主義に抗おうとしている人が自分のほかにもいるのだという感動となり、必ず、多くの人の資本主義に対する決起を勇気づけるだろうと思います。
私のような、直接三里塚で戦ってはいないものの、三里塚同様に、資本主義と戦っていこうという人間にとっては、この戦いの意義を学び、その内容を自らが作ろうとしている運動の熱量に還元していくことが問われると思います。自分の現場でこの課題に取り組んでいきたいと思います。
空港破綻実感の行脚
東京 佐藤らて
久しぶりの開催となった、待ちに待った三里塚全国集会に参加した。
現地集会には、いつも成田駅から歩いて往復していたのがいつの間にか東京から歩いて参加するようになり(もちろん、片道です)、今回は新小岩駅から歩き始めました。成田に行くには、成田街道ルートと北総線沿いのルートの二つがあって、今回は少しアレンジして御成街道〜成田街道、酒々井あたりから見渡す限り田んぼが広がる印旛沼方向から会場に向かいました。
成田に近づくと、いつもなら佐倉あたりから飛行機の姿が見えてきます。しかし今回はコロナ情勢。そうか、そうだったか、その姿が間欠的。そう、成田空港は、ほとんど開店休業状態になったわけです。「観光立国」とか言って、成田空港の機能強化、日本の国際競争力の強化に突き進んできた空港はそのすべてが破綻し、破産した。
全国から440人が参加した集会は、いつになく意気揚々でした。参加者が少なくなったとか、高齢化したとかとなげく人もいますが、私は全然そうじゃないと思う。よくもまあ、全国からこれだけの人たちが集まるもんだ! 半世紀におよぶ闘争に、これだけ熱心にとりくむ人たちがいて、そのことで日本国家は今も振り回され続け、ついには「空港倒産」の危機を迎えるところまで来たのだと思う。
デモでは学生隊列の近くに。こういう若者たちが生まれている!(写真上) 新自由主義のこの世の中、どこにこんな骨のある若者集団が集まっているというのか! 市東さんとともに闘いましょう。