全学連三里塚 現地行動隊日誌 市東農地決戦の先頭に立つ 学生こそ大学の主人公 大学政策転換との闘い 全学連三里塚現地行動隊長 今井治郎

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週刊『三里塚』02頁(1049号02面02)(2020/10/12)


全学連三里塚 現地行動隊日誌
 市東農地決戦の先頭に立つ
 学生こそ大学の主人公
 大学政策転換との闘い
 全学連三里塚現地行動隊長 今井治郎

(写真 全国集会に先立つ前段集会でシュプレヒコールの音頭をとる全学連行動隊【9月27日】)

 ずいぶんと陽が落ちるのが早くなりました。7月は雨、8月前半は日照り、8月後半から9月前半は台風と、極端な天候を相手に慌ただしく過ごしているうちに季節は移り変わっていたようです。現地は葉物やネギ、大根など、冬から来年に向けての作付け作業の最盛期です。先日援農に来た学生が蒔いた人参もきれいに発芽しました。
 大学では後期の授業が開講しています。授業形式は多くの大学で対面とオンラインの併用となり、以前より数が少ないながらもキャンパスに学生が戻ってきました。
 「これ、見てください」。ある日、友人が数枚の写真を見せてくれました。それは友人の大学の風景を切り取ったもので、空き教室で勉強する学生やオープンスペースで学生が談笑する様子が写っていました。
 「みんなノートパソコンを持っているね」と私。教室では画面に向かい、歩いたり談笑している時も皆、片手にノートパソコンが入ったケースを携えている学生の姿に違和感を覚えたのです。
 少し考えて、気がつきました。大学からよほど近い場所に自宅や学習スペースがなければ、オンライン授業も学内で受けなければならず、学生は自分用の端末を持ち歩かなければならないのです。写真には今の大学生が強いられている矛盾がわかりやすく映し出されていました。
 他の友人からは、オンライン授業を受ける学生で空き教室が一杯になった、なんていう笑い話のような話も聞きました。こんな状況でも通常の授業料の支払いを強いる文部科学省や大学当局が「学生のため」なんて言葉をどの面下げて言うのか、怒りに堪えません。
 コロナ禍と時を同じくして、日本の大学政策の大転換が狙われています。文科省が今年2月に設置した「国立大学法人の戦略的経営実現に向けた検討会議」での討論や、日本私立大学連盟がこの間示している見解でも、大学をいかにうまく「経営」し、競争の中で生き残りを図るかが主題となっています。そして、政府—文科省はコロナ禍を「好機」としてこの政策をさらに推し進めようというのです。東京大学の不透明な総長選考は、その一つの表れであり、菅政権による日本学術会議会員の任命拒否は、「学問の自由」を守ろうとする学者への恫喝です。
 先日、「検討会議」の議事録を使って学習会をしていたら、最近運動に関わるようになった学生が「討論の中に学生が不在で絶望する」と言っていました。その通りだと、そして政府の態度がここまで露骨だからこそ、広範な学生が立ち上がる可能性があると感じました。「大学の主人公は学生だ」という全学連の訴えが、ストレートに学生に通じる時が来ています。社会の意思決定にこれまで「不在」とされてきた労働者や農民、学生が立ち上がるときは今です。動労千葉をはじめとする労働組合や三里塚54年の闘いの意義は計り知れません。
 10・22請求異議裁判を闘い抜き、11・1労働者集会に大結集を作り出しましょう!
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