ピンスポット LCCエアアジアが事業撤退 コロナで旅客激減 「格安」の矛盾が命取りに
週刊『三里塚』02頁(1049号01面04)(2020/10/12)
ピンスポット
LCCエアアジアが事業撤退
コロナで旅客激減
「格安」の矛盾が命取りに
9月5日、LCC(格安航空会社)のエアアジア・ジャパン(写真)が事業継続を断念すると正式発表した。同日、全4路線を12月5日で廃止すると国交省に届け出た。国内の航空会社が事業から撤退するのは、新型コロナウイルス流行後初めての事例となる。
海外ではイギリスのフライビー、タイのノックスクートが事業から撤退。運航は継続するもののヴァージン・オーストラリア、コロンビアのアビアンカ航空、チリのLATAM航空、メキシコのアエロメヒコ航空、イギリスのヴァージン・アトランティック航空が経営破綻している。
そもそもLCCは整備費、人件費などの経費をギリギリまでカットして飛ばしてきた。利益が出る搭乗率は通常の航空会社で約6割。LCCでは8割ないと黒字にならない。
エアアジアの経営は以前からうまくいっておらず、19年12月期は約47億円の最終赤字を計上していた。コロナがトドメを刺した。
成田を拠点とするジェットスターJは20年期決算は最終損益が77億円の赤字で、ピーチ・アビエーションの20年3月期の最終損益は94億円の赤字だ。
航空業界の断末魔の叫びが聞こえる。