市東さん招き集会 農地守る決意に熱い共感
市東さん招き集会
農地守る決意に熱い共感
9月13日、群馬・市東さんの農地を守る会、群馬合同労組などの呼びかけで、「倒産寸前の成田空港に新滑走路建設? 市東さんの農地を守ろう」と題した集会が、高崎市で開かれた。反対同盟から市東孝雄さんが今年も参加し、三里塚と群馬の連帯を一層強める催しとして大成功した。
最初に呼びかけ団体でもある一般社団法人「高階(たかはし)文庫」の高階ミチ理事長が開会のあいさつに立ち、自然環境や農業の現在の状況に危機感を表しながら、完全無農薬で有機農業を行う市東さんの農地を守ることを訴えた。
続いてピアノ伴奏と田島咲乃さんによる歌唱のリードで、参加者全員が「反対同盟の歌」を歌い、会場の熱気を高めた。地元の町長が連帯のあいさつを述べ、農産物の種子を守る群馬県条例を成立させた県議会議員が活動報告をした。
農地を守る会の田島俊昭さんが、「コロナと成田空港」と題したメインの講演に立った。ウイルスと人間の基本的関係を平易に説きながら、市東さんの耕す農地の豊かな土壌が微生物の多様性に満ち、人間の免疫を高め感染症と闘う力を備えていることを強調した。さらに、旅客激減で廃墟のようになった成田空港を自ら訪れた実地見分を報告し、観光立国・インバウンド政策による航空需要を「作られたもの」と断じ、空港を廃港に追い込む展望を語った。
市東さんが登壇した。コロナ禍でのB滑走路閉鎖で騒音も機影も消え、天神峰が本来の農村の姿を一時取り戻したこと、騒音被害の大きさをあらためて実感したこと、机上の空論で右肩上がりの旅客数増加を見込んでいたNAAのもくろみが完全に打ち砕かれたことを語った。そして、消費者に「おいしい」と喜んでもらうことを励みに安全な無農薬有機農業に取り組んできた自らの農業への姿勢を明らかにした。請求異議控訴審、耕作権裁判など農地をめぐる裁判に勝つ意気込みを述べ、「自分は『うそをつかない』ことを信条に無農薬野菜をつくってきました。国策だから何をやってもいいということにはならない。三里塚と群馬のつながりを大事に、これからも天神峰で農家を続けます」と決意を表し、拍手を浴びた。
全国農民会議共同代表の小川浩さんが発言した。千葉県の米作専業農家である小川さんは、コロナショックのもとで農家がこれまで通りやっていけない危機的状況に置かれている実例を報告し、市東さんの農地を守り社会を変えることでしか農民の生きる道がないことを訴えた。さらに、市東さんと共に闘う三里塚現地闘争本部の2人が連帯発言を行った。
県内からの決意表明として、除草剤グリホサートの使用禁止の訴えに続き、群馬合同労組の清水彰二委員長が、三里塚と連帯して労働運動で勝利する決意を述べ、職場で闘う2人の女性組合員を紹介した。さらに、故星野文昭さんの国賠訴訟と大坂正明さん裁判支援への取り組みを、高崎経済大学OBの伊藤成雄さんが訴えた。
市東さんに「守る会」会費とカンパが主催者から手渡された。さらに、群馬と千葉の縁をつなぐ「南総里見八犬伝」由来の高崎の里見梨と、今の陸上自衛隊第12旅団の土地を現地の農民が集団的に取り戻して「ぶどう郷」を営む農園のぶどうが、市東さんに贈呈され、市東さんからは畑で収穫したジャガイモが参加者に贈られた。
大塚正之さんが目前に迫った9・27全国総決起集会への群馬からのこぞっての参加を呼びかけ、最後に歌曲「むこうむこう」を全員で歌った。