全学連三里塚現地行動隊日誌 市東農地決戦の先頭に立つ 格差社会を打ち破れ 大学生の厳しい現実 全学連三里塚現地行動隊 二川 光

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週刊『三里塚』02頁(1046号02面02)(2020/08/24)


全学連三里塚現地行動隊日誌
 市東農地決戦の先頭に立つ
 格差社会を打ち破れ
 大学生の厳しい現実
 全学連三里塚現地行動隊 二川 光

(写真 市東さん宅中庭で農地を守る決意固め【25日】)

 8月は静岡県の浜松市で41度を観測するなど酷暑が続き、全国的に温度が上がりました。暦の上では秋となり残暑が和らぎはじめ、涼しい季節です。現地では旬の野菜である空心菜やモロヘイヤ、冬瓜や万願寺唐辛子などを収穫、同時にニンニクや人参などの種まきの時期でもあります。9月は暑さから寒さへ切り替わる季節、ぜひ三里塚野菜を食べて、マスクを着けつつ体調管理を万全にしていきましょう。
 8月23日付の毎日新聞に大学生の悲惨な状況が書かれていました。記事によると、新型コロナウイルス感染拡大防止のためすべての講義をオンラインで実施している九州大学の学内調査で、全体の15%の学生が1カ月間友人と直接会話をしていないと回答しました。孤独感を感じている学生が40%に上り、「よく眠れない」など体調不良を訴える声が目立っているそうです。1回生から友達ができず、孤立している状況です。九州大学は5月の前期スタート時にはすべての講義をオンラインで実施し、学内への立ち入りやサークル活動などを制限してきました。入学式がなく、キャンパス経験もなく、調査では1回生の約4割が県外でオンライン授業を受講していることも判明し、県外出身者の多くが入学後も自宅で暮らしている事実が明らかになりました。立命館大学では、約3万2千人いる全学部生の一割が親の収入減やバイトの減少によって、退学を検討せざるを得ない状況も生まれています。
 しかし、大学だけでなくコロナ禍によって暴かれた社会の現状は昔から続いていました。
 早稲田大学教授の橋本健二氏が書いた『中流崩壊』では、戦後高度経済成長期から言われていた「一億総中流」という言葉が、80年代から格差が拡大するにつれ、日本の社会のあちこちに巨大な分断を作りだし、これを形容する「格差社会」という言葉に取って代わられたとしています。そして「格差社会」の地点に立って過去をふり返れば、当時の日本にも大きな格差が見えてくると指摘しています。
 この本の中で印象的なのは、03年から若年層でフリーターが増加し、非正規による貧困が本人の責任であるかのように論じる傾向が強くなった部分です。現在のコロナ禍で小池都知事が「これからは自粛ではなく自衛」とする自己責任論に通じる状況が、既に生まれていたのだ感じました。それは今まで続いてきた新自由主義社会の本当の正体を示しています。
 この状況に反対して国家の政策と実力で闘えば空港建設を阻止できることを示し続けてきたのが三里塚闘争です。現在、成田空港会社は倒産寸前の状況でもなお、暴力的に反対同盟・市東孝雄さんの農地を強制的に取ろうと画策しています。市東さんの農地取り上げ強制執行を阻止する9・2請求異議控訴審(東京高裁)に集まりましょう。
 そして全国の皆さん。ぜひ現地に集まり、空港を廃港にしましょう。9・27三里塚全国総決起集会に集まって共に声をあげましょう!
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