9・2東京高裁・請求異議―9・14千葉地裁デモ・耕作権裁判へ 9・27集会成田市赤坂公園に大結集を
9・2東京高裁・請求異議―9・14千葉地裁デモ・耕作権裁判へ
9・27集会成田市赤坂公園に大結集を
新やぐら裁判
「収去・明け渡し」命じ直ちに逃亡
内田裁判長の反動判決を弾劾
8月24日、新やぐら裁判(千葉地裁民事第2部)で、内田博久裁判長は極悪の反動判決を下した。成田空港会社(NAA)の不当極まる主張を丸ごと認め、三里塚芝山連合空港反対同盟に対し、市東孝雄さんの農地に立つやぐら・看板の撤去と土地の明け渡しを命じたのだ。断じて許すことはできない。反対同盟は即日控訴。弾劾声明(別掲)を発し、翌朝から反撃の闘いを開始している。9・2請求異議控訴審・第3回(東京高裁)、9・14耕作権裁判&千葉地裁包囲デモ、9・27三里塚全国集会(成田市赤坂公園)に仲間と共に駆けつけよう。
そもそも内田は4月1日付で千葉地裁から東京高裁に異動になりながら、「職務代行」という異例の形でこの裁判にしがみついてきた。反対同盟顧問弁護団は前回の弁論を前に裁判官忌避を千葉地裁の別の部に申し立てたが、内田はそれを自ら引き取り却下した。そして「双方の意見は聞いた」と言い張り、傍聴者3人に退廷命令を出しながら「弁論終結」を宣言した。手続き的にも一切がでたらめであり、内田に判決を言い渡す資格などない。
反対同盟と支援連は開廷に先立ち、千葉地裁前で内田裁判長を弾劾する情宣活動を行った。
NAAの違法・脱法を全て免罪
開廷予定の午後2時を前に、法廷は怒りで充満していた。被告席には東峰の萩原富夫さんと弁護団が並ぶが、原告NAAの代理人は全員が逃亡。
内田ら3人の裁判官が現れるやいなや、傍聴席から弾劾の声が飛んだ。「弁論を再開しろ!」「反動判決を許さないぞ!」
内田は着席し、早口かつ力んだ声で判決要旨を読み始めたが、抗議の声でまったく聞き取れない。紙を持つ手は緊張で震え、読み終えると脱兎のごとく逃げ去った。この間わずか1分足らず。
弁護団が判決文全文を入手し、その反動的全容が明らかになった。
①市東家の耕作地について、空港公団(NAAの前身)が具体的な転用目的もなく、めども立たずに旧地主から「取得」した(農地法5条違反)ことを、「転用目的で取得したこと自体を否定できない」と免罪。
②成田空港建設のためだけにつくられた農地法施行規則の違憲性を否定し、「成田空港の公益性、公共性からすると、農地の権利移転に県知事の許可は要らない。小作権者(市東家)の同意も要らない」と強弁。
③当時空港公団の本社は東京にあり、農地の「取得」は不在地主にあたる(農地法6条違反)ことを免罪し、「例外として解する余地がある」と是認。
④公団の「事務取扱規定」は小作権者の同意のない用地売買契約を禁じているが、これについて「公団の内規に過ぎないから違反してもかまわない」と免罪し、憲法違反を奨励。
⑤機動隊による暴力と流血の強制代執行の歴史をふまえ、公団が「あらゆる意味で強制的手段を用いない」と社会的に公言したことについては、「訴訟手続きまで放棄したと認められない」として、権利濫用、信義則違反を否定。
----等々、NAAの主張を全面的に受け入れ、違法脱法をすべて免罪した上で、最後に「仮執行宣言は相当でないからこれを付さない」とした。
「実力闘争」貫き仮執行を阻んだ
閉廷後に近くの会場で、事務局の伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。最初に決戦本部長の太郎良陽一さんが弾劾声明を読み上げた。
続いて葉山岳夫弁護団事務局長が、「極めて不当な判決だ。かつての農地法裁判一審の千葉地裁・多見谷判決の悪質な引き写しだ」と断罪して批判の重要ポイントを指摘した。そして「仮執行宣言を付けさせなかったことは闘いの成果」と強調し、控訴の手続きを行ったことを報告した。
さらに弁護団全員が発言に立ち、結審からわずか1カ月余りでの、結論ありきのデタラメな判決を全面的に解剖し批判した。その後、新聞・テレビなど約10社の取材記者と質疑応答が行われた。
最後に、萩原さんがまとめのあいさつに立った。「この新やぐら裁判を、控訴審、上告審と何年かかろうと最後まで徹底的に争う。コロナショックで普通の会社だったらNAAは倒産だ。こんな中で市東さんの農地、やぐらや看板を取れるのか。取れるものなら取ってみろ、絶対に許さない。そういう気概で、ガタガタの空港を一層追い詰め意気軒高と闘う」と述べ、9・2東京高裁―9・14千葉地裁での裁判日程を確認し、9・27集会への結集を訴えた。