第３滑走路計画粉砕、今こそ成田空港廃港へ
　９・２東京高裁―９・２７成田市赤坂公園に集まろう
　農地強奪強制執行許すな
　新やぐら８・２４判決迎え撃とう

　世界は激動している。米ワシントン州シアトルでは警察署が占拠され一時的に「自治区」が生まれた。レバノンでは反政府デモ隊が外務省など政府庁舎を一時占拠し「革命の本拠地にする」と宣言した。資本主義４００年の歴史を覆す闘いが各地で爆発している。パリコミューンの精神を継ぐ労農連帯の砦＝三里塚闘争の発展を今こそ勝ち取ろう。三里塚芝山連合空港反対同盟が発した招請状（別掲）に応え９・27全国総決起集会に集まろう。新やぐら裁判でデタラメな結審を強行した内田博久裁判長を徹底弾劾し、８月24日千葉地裁を包囲し不当判決を阻止しよう。

農地法を破壊し

　天神峰で市東孝雄さんが耕す農地は、国家権力の総力を挙げた買収攻撃でも奪えなかった三里塚闘争勝利の証だ。54年の闘争史の中でも、農民の耕す農地をめぐって実際に強制収用が行われたのはただ１回。１９７１年の大木よねさんへの強制代執行だけである。国家暴力の発動に対し、反対同盟農民はじめ多くの労働者・学生・市民が怒り、二度と繰り返させてはならないと血と汗と涙の実力闘争で反対同盟農民の農地に一指も触れさせてこなかったのだ。
　不屈の闘争の結果、国と空港公団（現ＮＡＡ）は「今後あらゆる意味において強制的手段は用いない」と社会的に約束せざるを得ず、空港公団は収用裁決申請を取り下げた。
　土地強奪の最後の手段＝土地収用法の適用を破産に追い込む大勝利が勝ち取られた。
　ところが、反対同盟を潰さなければ安眠できない国とＮＡＡは、アクロバティックな攻撃を繰り出してきた。市東さんの耕作地が農地改革でも解放されなかった残存小作地であることに目を付け、農地法を脱法的に適用して賃貸借契約を解約して農地を奪おうとしてきたのだ。耕作者の同意なき解約は戦後一度もなかった。
　耕作者の権利を守るために作られた農地法で農地が奪えるはずがない。誰しもがそう確信していたが、裁判所は憲法と農地法を破壊し、耕作者の同意がなくても農地を奪えるという判決を無理やりひねり出した。戦後初の暴挙であり断じて許すことはできない。
　だが、農地を奪うことができるという判決が下りたが、実際に農地を奪うための強制執行を行うことは別の次元の話だ。（例えば、判決後すぐＮＡＡが倒産すれば農地を奪う必要はなくなる）
　反対同盟・市東さんは、ＮＡＡによる裁判所への強制執行の請求を不許可にしろと請求異議の訴えを提訴した。東京高裁に闘いの場を移し、裁判もいよいよ正念場という段階で新型コロナウイルスのパンデミック（世界的大流行）が起きた。航空需要は蒸発し、Ｂ滑走路やターミナル、空港内店舗の多くが閉鎖された。

ＧｏＴｏ見直し

　コロナ情勢の進展によって成田空港はより一層危機を深めている。
　７月22日、ＮＡＡは政府の「Ｇｏ Ｔｏ キャンペーン」に合わせてＢ滑走路の運用を再開させたが、東京の除外や感染者数の急増によってキャンセルが相次ぎ、搭乗率は低下の一途をたどっている。国内線を全便運航させたＬＣＣ（格安航空会社）のピーチの７月末の４連休の搭乗率は６割に過ぎない。キャンペーンの「効果」から感染者数はさらに増加。全国知事会はたまらず「Ｇｏ Ｔｏ キャンペーン」の見直しなどを国に求める緊急提言を行った。
　国際線再開の目途が立たず、訪日外国人を狙った店舗の中には成田空港から撤退するところも出始めている。ＮＡＡはテナント料を猶予するなどの方策をとるも、旅客数が回復する見込みはない。航空会社も飛行機メーカーも過去最大の経営危機に見舞われている。航空産業全体の再編と縮小は不可避だ。航空需要が19年の水準に回復することはありえない。
　膨大な自然を破壊し、住民の生活と安全を脅かす空港機能強化策に今こそトドメを刺そう。有機無農薬野菜作りに励む市東さんの営農を守ることこそが次の時代を切り拓く道だ。
　反対同盟の不屈の精神に学びあらゆる職場・キャンパスで闘いを組織し、９・２請求異議控訴審（東京高裁）―９・27全国集会（成田市赤坂公園）に大結集しよう。

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