団結街道
週刊『三里塚』02頁(1044号01面04)(2020/07/27)
団結街道
先日たまたまNHKBSプレミアム「本日閉店 世紀を越えた市場 神戸」を見た▼今年3月末に私の出身地、神戸灘区にある水道筋商店街の畑原市場が閉鎖された。その中にあったかまぼこ屋の凪商店、魚屋の魚辰の閉店までを追ったドキュメンタリーだ▼神戸にはアーケード・商店街が多い。八百屋、魚屋、肉屋、豆腐屋、漬け物屋、おもちゃ屋、靴屋、銭湯、飲み屋、たこ焼き屋、串カツ屋、ケーキ屋、寿司屋、喫茶店、レコード店、本屋などが軒を連ねる地元商店街▼小学校時代は、ミニ四駆などのプラモデルを模型屋で買ったついでにコロッケやたこ焼きを食べ、豆腐屋の豆乳を飲むのがゴールデンコースだった。高校時代には、いくつかの商店街のはしごをして本屋やレコード屋をのぞくのが日課だった▼番組では、スーパーマーケットの進出が商店街衰退の原因のように描かれていたが少し違うと思う。神戸出身の賀川豊彦が生協を、中内功がダイエーを生んだように小売りの量販店は昔からあり共存してきたからだ▼平日は、スーパーや生協で買い物しつつ、市場や商店街にも足を運び、休日や正月は元町の大丸デパートや郊外の大型のショッピングセンターへ。中小零細の小売店と大型の量販店の双方を、矛盾なく愛してきたのが神戸っ子だ▼新自由主義という極限的に肥大化した巨大流通資本・アマゾン帝国のせいだと思う。何が「近くて便利」「ワンクリック」だ。