全学連三里塚現地行動隊日誌 市東農地決戦の先頭に立つ 学費を減らせ! 渋谷で街宣とデモ 全学連三里塚現地行動隊長 今井治郎
週刊『三里塚』02頁(1043号02面02)(2020/07/13)
全学連三里塚現地行動隊日誌
市東農地決戦の先頭に立つ
学費を減らせ!
渋谷で街宣とデモ
全学連三里塚現地行動隊長 今井治郎
(写真 「学費を減らせ! 学籍を返せ!」と訴え、渋谷の街を意気高くデモ【7月5日】)
九州地方での豪雨被害に遭われたみなさんに心からお見舞い申し上げます。毎年のように場所を変えて起こる災害は、社会が何を犠牲にして成り立ってきたのか暴き出します。災害対策の不足を棚上げにした「命を守る行動を」という言葉で、一体どれだけの命が奪われてきたのか。私はこの間、2年前に起こった西日本豪雨の被災者がいまだに4千人以上が仮設住宅での生活を続けている、という報道を目にしました。明らかになった問題に注目し取り組みを継続することの必要性を改めて痛感しました。
全学連は、「学費を減らせ! 学籍を返せ! 7・4―5全国学生一斉行動」と銘打ち、7月4日に京都で、5日には東京・渋谷でデモを行いました。学費の問題はコロナ禍で大々的に明らかにされた社会問題のひとつです。私は渋谷デモに参加しましたが、約30人の青年と学生のデモは街の人々から多くの注目を浴びました。5月から続けてきた文部科学省前行動に来てくれた学生やコロナ禍でなかなか会えていなかった仲間に加え、飛び入りの参加もあり、意気高くやり抜きました。デモの前には渋谷駅前でスタンディングをしながらの宣伝活動を行いました。雨の中でしたが、ここでは大きな手応えを感じました。私たちが掲げたスローガンが書かれたプラカードに次々と刺さる目線、「写真撮ってもいいですか」と、プラカード一枚一枚を撮影していく人や受け取ったビラをまじまじと眺めて話しかけてくる人。ビラを受け取って私たちのアピールを聞いていた青年は「自分も話したい」とマイクを取り、「デモに出て、声を上げよう」と力強く訴えました。話を聞くと前日の京都デモにも参加したそうで、そのまま渋谷デモにも参加してくれました。
「希望の牧場・ふくしま」代表の吉沢正巳さんは、「渋谷のハチ公スクランブル交差点は、マイク一本で街頭劇場にできる(『序局』第24号)」と語っています。私たちの訴えも、少なからず街ゆく人の心に響いていることを感じました。
デモ中に追いかけてきてずっと撮影する人がいたり、終了後には解散地点の公園の外で待ち構えていた青年の集団に、斎藤郁真前全学連委員長が一緒に記念撮影を求められる一幕もありました。「『前進チャンネル』見てます」と声をかけられ、握手。彼らとも一緒にデモに出て声を上げたかった。私たちの主張に共感する人の姿が目で見え、手が届くところまでは来ています。そういう人たちと一緒に行動することが次の課題です。
三里塚闘争はこの7月で55年目に入りました。原則を守り、闘いを継続することの力をこれほど示している運動は他にないと思います。コロナウイルス感染拡大の影響で止まっていた裁判も7月16日の新やぐら裁判から再スタートです。市東さんの農地を守り、私たちの「命を守る行動」とは何かをともに示す闘いに立ち上がりましょう。