「機能強化白紙撤回」訴え 同盟・支援連が第84回一斉行動

週刊『三里塚』02頁(1042号01面02)(2020/06/22)


「機能強化白紙撤回」訴え
 同盟・支援連が第84回一斉行動

(写真 市東さん宅中庭で出発前の打ち合わせ【14日】)


 6月14日、反対同盟と支援連絡会議の仲間は84回目の空港周辺情宣一斉行動に立ち上がった。午前8時半、成田市天神峰の市東孝雄さん宅中庭に集まり、打ち合わせを行った。
 司会を事務局の伊藤信晴さんがつとめ、冒頭に市東さんがあいさつした。
 「B滑走路の方では飛行機は飛んでおらず騒音下の人たちも一安心と聞いています。自分もこれまではあまり気にしていなかったけど、たまに騒音があると相当うるさく感じます。騒音はもういらない。今日は一日雨模様ですが、よろしくお願いします」
 東峰の萩原富夫さんが、第3回樫の木まつりなど今後の方針について訴えた。(別掲)
 現地の仲間は茨城県稲敷市の住民の声を紹介した。
 稲敷市ではB滑走路閉鎖後も騒音の大きさは変わらず、航空機の旋回場所となっているためエンジンを余計に吹かす音が響く。騒音コンターと実際の騒音被害がずれている。実態調査をやらないNAAと行政への怒りがかつてなく高まっている。
 空港機能強化策は白紙撤回以外ない。再度確信を固め、一同担当地域へ飛び出した。
 B滑走路閉鎖、減便が続いている状況に多くの喜びの声が寄せられた。
 「これまでは普通に会話していても声が大きくなって大変だったが、今は飛行機が飛ばなくなり、こんなに違うのかと喜んでいる」「飛ばなくなって体の調子がいいよ」
 また、空港の没落は一過性のものではなく、時代の流れであることも語られた。
 「航空需要は二度と戻らない。時代は変わった。続行の見通しはないよ」「静かでいい。もう滑走路を造るために人を追い出す必要はない」
 空港内は閑散とし、働く人も一時帰休。それでもあくまで第3滑走路建設を進めるNAAの動向についても多くの人から情報が寄せられた。
 「わずか2〜3分で家の査定。アリバイだ」「代替地の提示はなく、自分で探せ、木も自分で切って平らにしろと言われている」
 横柄な態度で測量等を進めるNAAへの怒りはさらに高まっている。
 「交渉の同意と売買の同意は別」と住民はしたたかに対応し、コロナ情勢もにらみつつ「別に移転したいわけではない」「機能強化がなくなるならそれでいい」と反対同盟支持の声を寄せている。
 安倍政権への激しい怒りも寄せられた。
 「オリンピックのためにコロナ対策を遅らせ、検事長の人事でもはっきりした安倍の腐敗は許せない。もう終わりにしないと」「大きな会社ばかり助けて何だ。10万円なんてすぐになくなる。助けにならない」
 午後4時半、再び市東さん宅中庭に集まり一日の集約を行った。伊藤さんは、横芝光町で開かれている「隣接地域」への補償に関する説明会がごまかしに過ぎないことについて暴露弾劾した。事務局の太郎良陽一さんは、同盟ニュースの感想などを紹介し、住民も考え立ち上がろうとしていることを報告した。
 次回の一斉行動日は、樫の木まつりの翌週の7月19日と確認し、一日の行動を終えた。

萩原富夫さんの訴え

 7月12日に天神峰・樫の木まつりを行います。今回は飲食についてはありません。全国集会も裁判も延期が続いていて、12月のいも煮会以来の現地での交流になります。久しぶりに全国の支援のみなさんと会えることをとても楽しみにしています。ぜひ、多くの人に集まっていただきたい。
 今後成田空港は本当にいらないという状況になってきています。7・12は空港廃港にむけ、改めて気持ちや考え方を入れ替えて闘いをはじめるスタートにしたいと思います。9月27日には全国集会を成田市街地で開催します。やっぱり現地に来て頂くというのが一番大事なことです。改めて支援を訴え、共に闘う団結を固めていきたい。よろしくお願いします。

このエントリーをはてなブックマークに追加