団結街道
週刊『三里塚』02頁(1040号01面06)(2020/05/25)
団結街道
コロナ情勢下でたこ焼き器がよく売れているそうだ▼わが家でも毎日のように作っている。熱々のトロトロをハフハフ言いながら食べるのが最高だ。もっとも、タコは高級品なのでちくわや魚肉ソーセージ、かまぼこで代用している▼欠かせないのはソースだ。最近、そのソースをめぐって諍(いさか)いが起きた。醤油と並んで食卓に置かれたウスターソースを誤って豆腐や卵かけご飯にかける人が続出。何でこんな所に置くんだ! とんかつソースだけあればいいんだ! と怒りを買った▼ソースを生んだ街の出身者としては憤懣(ふんまん)やるかたない。「とんかつソース」はそもそも神戸のオリバーソースがネーミングも含めて開発したものだ。ウスターが先でとんかつが後。それにコロッケも豚まんもウスターソースと決まっている。私が焼いたたこ焼きには喜んでソースをかけて食べるくせに、ソースをないがしろにするとは! たこ焼きを食うな! と言いかけた▼しかし、よく考えると今も大阪にある元祖たこ焼き屋・会津屋のたこ焼きにソースはかかっていない。ソースをかけるようになったのは戦後のことだ。そもそも福島県会津出身の遠藤留吉さんがいなければたこ焼きはなかったかもしれない。そう思い直して、老眼が進んだわが家の福島県出身者に敬意を表し、瓶に大きくソースと書いた▼ストレス発散にたこ焼きはお勧めだ。ただしソースには注意されたし。