第3滑走路計画は根本から大破産した 成田B滑走路ついに閉鎖 市東さんの農地奪うな 休業補償と感染防止策求めよう

週刊『三里塚』02頁(1038号01面01)(2020/04/27)


第3滑走路計画は根本から大破産した
 成田B滑走路ついに閉鎖
 市東さんの農地奪うな
 休業補償と感染防止策求めよう

(写真 相次ぐ欠航で行き場を失い成田の駐機場に大量に並ぶ航空機【4月10日 岩山記念館より撮影】)

(写真 臨時休店し閑散とするLCCの成田第3ターミナル)

(写真 市東さんが南台農地でマルチ張り【4月12日】)


 4月12日、ついに成田空港のB滑走路が閉鎖された。新型コロナウイルスのパンデミックが世界を被い各国による移動制限の強化が航空業界に壊滅的打撃を与えた。まさに、「日本経済の屋台骨」(麻生太郎財務相)が折れかかっている。だが、資本家の骨が折れても、労働者・農民は生きなければならない。三里塚が築き上げてきた「農地死守・実力闘争」の思想と闘いをあらゆる職場で実践し、解雇・休業補償を勝ち取ろう。市東さんの農地を守りぬこう。
 4月16日、安倍政権は「緊急事態宣言」を全国に拡大した。北海道・茨城・石川・岐阜・愛知・京都を加えた13都道府県を「特定警戒都道府県」に指定し、外出や移動の制限、休業などの徹底を行うよう求めた。そして「自粛に従わないから感染が拡大している」と世論を誘導し、治安弾圧の強化----緊急事態条項の新設=改憲へと突き進んでいる。改憲阻止闘争の最前線=三里塚の真価を今こそ発揮して闘おう。

五輪で対応遅れ

 そもそも今回の新型コロナウイルスの感染拡大の最大の要因は、安倍政権が2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催にぎりぎりまでこだわり、初動の対応が遅れたことにある。
 その結果、いまだに医療・介護現場に医療用のマスクを届けることも、韓国や台湾などのような十分な検査体制を取ることもできていない。4月16日の段階でなお恥ずかしげもなく安倍は「国の総力を結集して医療現場を支えなければならない」と言って、マスクや防護服の生産を自動車メーカーや航空会社など異業種にも呼びかけるパフォーマンスを行っている。

医療の民営化で

 そして、感染拡大のより根本的な原因として新自由主義による医療の民営化=私物化がある。医療を金もうけの道具にし、もうからない分野は徹底的に切り捨ててきた。保健所はこの30年で全国で300以上(4割)も減らされた。予算も人員も病床も足りず、日常業務ですでに手一杯の状態だった。そこにコロナ危機が襲いかかった。
 とんでもない事態を招いておきながら、なんら責任も感じることなく布マスク2枚配れば大丈夫と、自宅でくつろぐ動画を流して恥じない安倍にこれ以上私たちの命を委ねることはできない。働くすべての人々への休業・失業補償と感染拡大防止策の徹底を労働者・農民・学生の団結した力で勝ちとろう。

大恐慌以来最悪

 成田空港会社(NAA)は、4月12日のB滑走路の閉鎖に続き、20日からは第1、第2ターミナルの一部を閉鎖した。観光庁が発表した3月の訪日客は前年同月より93%減。茂木敏充外相によれば、この1週間の外国人入国者数は一日85人(20日現在)。4月5日から11日の週間発着回数は1月と比べて8割減。
 空港内の316店舗のうち、17日時点で78・8%に当たる249店舗が休業、45店舗が営業時間を短縮。通常営業の店舗は7%の22店舗だけだ。
 全日空(ANA)は民間企業でありながら金融機関に求める1・3兆円の融資枠のうち一部を政府保証を付けて無担保で借りようしている。さらに、従業員の約半数超の2万2千人を一時帰休させた。そして、今月末から30人に医療用のガウンをつくらせたり、羽田では通常勤務の合間にフェースガードも手作りさせている。
 「空港との共生・共栄」を掲げて希望的観測のみでデタラメな空港拡張を繰り返してきた結果が、膨大な空港関連で働く労働者の首切り・賃下げとして襲いかかってきている。断じて許すことはできない。
 4月14日、IMF(国際通貨基金)は世界経済見通しを世界大恐慌以来最悪のマイナス3%と発表。右肩上がりの経済成長を前提にした空港機能強化、第3滑走路建設の根拠は崩壊している。
 しかし、NAAは市東さんの農地強奪もあきらめていない。地域住民と共に闘おう!

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〈銀行口座〉
 みずほ銀行成田支店 普通預金  2074135 イトウノブハル

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