全学連三里塚現地行動隊日誌 市東農地決戦の先頭に立つ 「緊急事態宣言」粉砕 改憲への道許すな 全学連三里塚現地行動隊 二川 光
週刊『三里塚』02頁(1037号02面02)(2020/04/13)
全学連三里塚現地行動隊日誌
市東農地決戦の先頭に立つ
「緊急事態宣言」粉砕
改憲への道許すな
全学連三里塚現地行動隊 二川 光
(写真 市東さんの畑で里芋を植える【4月5日】)
三里塚現地では満開だった桜が散りはじめました。いつ収まるか分からない新型コロナウイルスに気をつけながら日々農作業に励んでいます。萩原さんの畑では50㍍のビニールマルチを3列張り、トウモロコシの苗を植えました。そして市東さんの畑では保存していた里芋を15列ほどビニールを張った後に深さ10㌢ほどまで種芋を植える作業が終わりました。夏にむけての準備はこれからが本番です。三里塚野菜で栄養をつけていきましょう。
安倍政権は新型コロナウイルスの感染拡大を奇貨として改憲へと踏み出そうとしています。安倍はそもそも、政権の陥った危機をのりきり、改憲への道をこじ開ける手段として、7月オリンピック開催を絶対不可欠とし一切に優先させてきました。その結果、新型コロナウイルスへの初動対応を遅らせ、事態を深刻化させました。その破産に追いつめられる中で、今度は一転して一斉休校を首相の独断で命令し、緊急事態宣言の発令を可能とする新型インフルエンザ特措法の改定を強行し、小池都知事とともに全土戒厳令・首都封鎖へと必死に動いています。
他方で解雇された労働者の賃金補償などは何一つ約束しようとしていません。延期したオリンピックの開催にはあくまで固執し、巨額の国家財政を追加投入して強行しようとしています。全国での感染者数は4月6日の時点で3865人、死亡者数は93人に拡大しています。
安倍政権は6日、東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡の7つの都府県で期間を1か月に定め、緊急事態宣言を7日に発令しました。集会やデモの禁止、土地・家屋の強制使用、輸送業務などへの強制動員や政府による報道管制を可能にするものです。憲法改悪の道筋をつける戦争体制づくりの一環として強行しようとしているのです。改めて振り返ると、今の情勢と似通ったことが過去にも起きています。
それは9年前の福島第一原発事故が起きた時のことです。
「トモダチ作戦」と称した米軍と自衛隊の共同訓練として被災地のがれき撤去作業を行うことで政府は米軍・普天間基地の存在意義を強調したことを思い出しました。そして当時のがれき撤去作業と中国の武漢やスペインやイタリアでの都市封鎖は軍隊が登場し、「軍事訓練」として行われていることが共通しています。
今回の新型コロナウイルスの感染拡大は全世界で起きていますが、当時と共通するのは「挙国一致」や「国民の団結」を強調し、さも「緊急事態宣言が必要」と労働者と資本家の階級融和を呼びかけ、右派だけでなく左派も一緒にのりだしているところです。この緊急事態宣言の発令の先に改憲が狙われています。
この改憲に向かう道を阻んできたのが三里塚54年の闘いです。成田空港会社による土地の強制収用を阻み、市東さんの農地取り上げを許さない地平を勝ち取っています。5月18日の耕作権裁判、6月3日、7月1日の請求異議裁判・控訴審に集まり共に声を上げましょう。