杉並でビキニ66周年集会 「3・11反原発福島行動へ!」
週刊『三里塚』02頁(1035号01面02)(2020/03/09)
杉並でビキニ66周年集会
「3・11反原発福島行動へ!」
(写真 参加者は再稼働阻止・全原発廃炉への決意を固めた【3月1日 東京・杉並】)
今年3月11日、東日本大震災―福島原発事故から9周年を迎えます。安倍政権は東京五輪を「復興五輪」と位置づけ、3月14日に行われるJR東日本のダイヤ改定での高線量地帯を通る常磐線の全線開通や、3月26日から始まる聖火リレーのスタート地点を原発事故後に原発労働者の活動拠点となっていたJヴィレッジとするなど、原発事故をなかったことにするための攻撃を矢継ぎ早に仕掛けてきています。
3月11日に福島県郡山市で開催される反原発福島行動20に集まり、共に声を声を上げましょう。
命を守る闘い
3月1日、東京都杉並区・西荻南区民集会所で「すべての原発今すぐなくそう!全国会議(NAZEN)東京」と実行委員会が呼びかける「ビキニ事件から66年 3・1反原発MEETING」が開催され、77人の仲間が集まりました。1954年のこの日は、ビキニ環礁でアメリカ軍が行った水爆実験により、第五福竜丸を始め周辺海域にいた船の船員が死の灰を浴びるという「ビキニ事件」が起こった日です。この事件を受けて杉並では同年5月、労働組合や漁業組合、市民団体が参加して「水爆禁止署名運動杉並協議会」が結成され、2カ月間で区内を中心に26万筆以上(当時の区民の7割近く!)の原水禁署名が集まりました。
集会の始めに、織田陽介NAZEN事務局長が主催者あいさつを行いました。午前中に全国6カ所で常磐線全線開通反対の情宣が行われたことを報告、東京から最も近い原発である東海第二原発の再稼働が狙われる中、原水爆禁止署名運動の発祥の地である東京・杉並から運動を作りたいという問題意識を述べました。さらに、現在の新型コロナウイルスの問題でイベントの中止が続く中で集会開催を決めた経緯を語り、「今回の政府対応は3・11の時の福島に対するものと瓜二つ。情報も隠され、安倍政権によって命が奪われている。私たちが団結してこれと対決することが、命を守ることにつながる」と語りました。
続いて、東海村で再稼働反対に取り組む特別養護老人ホーム常陸東海園淑徳会理事長の伏屋淑子さんからのビデオメッセージ。昨年9月1日の水戸集会での伏屋さんの発言が紹介され、5㌔メートル圏内に密集した東海村の核施設についても言及。この現実は「東海村は日本一危険な村」という言葉に一層の重みを与えています。他には老人ホーム内や村内各所に原発反対の看板やプラカードが掲げられているなど、地域ぐるみで運動を進めている様子が紹介され会場からは歓声が上がりました。
次に、福島県双葉町から東京に避難した亀屋幸子さんが発言に立ちました。3・11当日から現在の公営住宅に避難するまで親戚を頼って転々としたこと、何も情報が入ってこないことによる苦悩、避難所でのエピソードや東京に移り住んでからの苦労、そして国の年間放射線被曝基準の20㍉シーベルトへの引き上げをきっかけに運動に決起したことを臨場感たっぷりに語りました。そして、自身が今年9月に公営住宅から出ろと言われていることを明らかにし、「勝俣元会長はじめ東電幹部が無罪になり、原発事故に誰も責任をとらないのが悔しい。無駄だと思わず、おかしいことには声を上げてほしい」と熱く訴えました。
集会の後半、参加者の意見を集めて小池都知事への要求書を作る企画に移りました。配布された資料を見たりしながらそれぞれの考えを書いた紙がどんどん会場前の大きな紙に貼られます。織田さんがそれをテーマごとに分け、要求書が形になっていきました。
最後に佐藤賢一NAZEN東京代表が行動提起に立ち、3月7日の日本原電本店前抗議行動、3月11日の反原発福島行動20、3月20日に亀戸中央公園で行われるさようなら原発全国集会への参加を呼びかけました。
(今井治郎)