東京高裁を包囲する3・25霞が関デモを 3・29全国集会赤坂公園に集まろう

週刊『三里塚』02頁(1035号01面01)(2020/03/09)


東京高裁を包囲する3・25霞が関デモを
 3・29全国集会赤坂公園に集まろう

(写真 反対同盟を先頭に意気高く敷地内新年デモ【1月12日】)

三里塚反対同盟のアピール
 農地守る闘いは正念場

 安倍政権は、新型コロナウイルスの感染拡大への不安と恐怖を利用し、改憲・緊急事態条項新設の先取り的な特措法の制定を狙っている。全小中高校の休校「要請」を独断で決める一方、十分な検査体制をいまだ取ろうともしていない。感染拡大の事実そのものを隠蔽するという暴挙は断じて許すことはできない。運休・減便が続く成田空港では、観光客は激減。バス会社、宿泊業、飲食店......様々なところで失業者が出るなど甚大な影響が出ている。三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける3・29全国集会に集まり、感染拡大の元凶、安倍政権を打倒しよう。市東さんの農地を守る闘いは正念場だ。反対同盟の市東さん、萩原さんにアピールを頂いた。

農業続ける決意は不動
 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 全国のみなさんの日ごろからのご支援に感謝します。
私の農地に対する強制執行を阻むための請求異議訴訟は、東京高裁での控訴審がいよいよ大詰めを迎えています。
 父の跡を継いで天神峰の地で誇りをもって完全無農薬・有機農業を営んできました。毎年50種類を超える野菜を栽培し、消費者のみなさんのもとに届けてきました。だがまったく理不尽にも、NAAは私に農業をやめ農地を明け渡して出ていけと迫っています。
 NAAが地主のような顔をしてそんな要求をする資格は一切ありません。天神峰と南台の土地は、祖父が開墾しておよそ100年、わが家が耕し続けてきた場所です。NAAの前身である空港公団は、耕作者であり「空港絶対反対」を掲げて闘っていた父にばれないように、前の地主と秘密交渉を行い底地を買収しました。そして15年も登記もせずに放っておいて、突然私に出ていけと言い出したのです。こんな卑劣で違法な手口で人を欺き、農地を奪うことなど絶対に認めることはできません。
 農地法裁判一審の千葉地裁・多見谷判決からこの方、「農業をやめて出ていけば金を払う」という反動判決が出されていますが、従うつもりはありません。東京高裁は3月25日に私の本人尋問などをやり、同27日に弁護団の最終弁論をやって結審しようとしていますが、どのような判決が出されようと、私は体の続く限りこの地で農業を続けます。その気持ちに迷いはありません。
 成田空港は今、機能強化・第3滑走路建設へとのめりこんでいます。だが、成田空港の将来の見通しは全然明るくありません。芝山町長の相川勝重は、「空港と地域の共生・共栄」を唱えますが、空港によってずたずたにされた町に誰が住みたいと思うでしょうか。多くの住民が、早朝から深夜まで騒音を浴びせられ、移転・再移転を迫られています。そんな空港のために、自分たちの生活を犠牲にされるのはごめんだと、多くの周辺住民が声を上げています。
 原発事故の放射能と闘う福島や、米軍基地に反対して声を上げる沖縄の方々と、私の気持ちは同じです。理不尽な国策によって人々の生活が踏みにじられることに反対します。関西生コン支部への常識を超えた弾圧に怒りを覚えます。
 戦争と改憲、農業切り捨ての道を突き進んできた安倍政権の危機が、いよいよ深まってきました。三里塚からともに「戦争反対、軍事空港反対、農地取り上げ阻止、安倍打倒」の声を上げましょう。
 反対同盟が呼びかける3・29全国総決起集会にぜひ集まってください。

安倍政治を打ち破ろう
 敷地内東峰 萩原富夫さん

 市東さんの農地をめぐる請求異議訴訟控訴審が東京高裁で、また新やぐら裁判も千葉地裁で結審を迎えようとしています。反動判決となれば、直ちに農地強奪攻撃との直接対決になる情勢です。みなさんの支援・協力がますます頼りになります。
 振り返れば、実に長い裁判闘争を闘ってきました。正直に言って険しい道のりでしたが、まだ決着はついていません。国とNAA側は、裁判で脅せば農民は出ていくだろうと高をくくっていた。今は「十数年かけてもまだ土地がとれない」と悲鳴を上げていることでしょう。この「根比べ」にこちらから音を上げるわけにはいきません。
 そもそも空港公団による用地取得のやり方があまりにも違法でデタラメでした。3代100年耕してきた農地は農民のものであり、後から来た空港に奪われるいわれはまったくない。真理は単純明快です。
 原発関連の裁判、辺野古基地の裁判でも、住民の命と生活を踏みにじり、国策を正当化する判決が数多く出されています。検事総長の問題でも明らかなように、安倍の手下のろくでもない連中が司法を牛耳っているのです。そうした司法の腐敗をただす意味でも、三里塚裁判でとことん農民・人民の正義を貫き、筋を曲げずに闘わねばなりません。「あきらめない、めげない、揺るがない」のが三里塚54年の闘いです。
 成田空港が国際競争に勝ってハブ空港になるために、農民は農地を明け渡せとは、こんなデタラメはありません。そもそも成田がハブになる必要はありません。国単位で争っている場合ではありません。安倍が掲げている観光立国が砂上の楼閣に過ぎないことがはっきりしました。新型コロナウイルス問題で一気に航空需要は落ちて、成田の「年間発着50万回」という目標が無意味化しました。住民とともに必ず、機能強化策を白紙撤回に追い込みます。
 人間の生活を根本から支えるのは食料であり、それを生産するのが私たち農家です。ウイルスの脅威に打ちかつためにも、ぜひ私たちの産直の完全無農薬・有機野菜を食べて、十分に滋養をつけてください。
 全国の闘う労働者、農民、学生、住民によって三里塚は支えられてきました。国家権力の大弾圧と闘う関西生コン支部支援に多くの労働組合が結集しつつあります。新たなナショナルセンターをつくるチャンスに三里塚もぜひ加わりたい。ロウソク革命を闘う韓国・民主労総の仲間に学んで、意見の違う人たちとも一緒に運動をつくってさらに全国各地に仲間を増やし、闘いのすそ野を広げて3・29全国集会に結集し、ともに安倍政治を打ち破りましょう。

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